- 米国企業
- BLUE OWL CAPITAL INC.
BLUE OWL CAPITAL INC.OWL
ランドスケープPowered by 会社四季報オンライン
- 企業概況
- (119文字)
- 業績概況
- テーマ
- ブランド
- ライバル企業
- (4社)
- 同業種の日本企業
- (2社)
事業内容
BLUE OWL CAPITAL INC.はグローバルなオルタナティブ資産運用会社で、信用(クレジット)、GP戦略資本、リアルアセットの三つのプラットフォームを通じて私募資本を運用しています。同社は永久資本車両や長期の私募ファンドを主軸に投資を行い、収益の安定性と予測可能性を重視しています。
同社の顧客は公的・私的年金、財団、保険会社、ファミリーオフィス、資産運用会社や富裕層、さらにウェルスマネジメントを通じた個人投資家まで幅広く分散しています。収益は主に投資顧問料や運用管理手数料で成り立ち、2024年には管理手数料の約91%が永久資本商品から得られるなど、長期保有型の資本に依拠して収益の安定化を図っています。
事業面では、Creditは直接貸付や大型融資を通じて企業の資金ニーズに応え、GP戦略資本は運用会社の少数株式取得や経営・資本支援で独自の立場を築いています。Real Assetsは投資適格の借り手を中心としたネットリース型不動産に注力し、各プラットフォームは互いに補完し合う形で長期的な資本ソリューションを提供します。さらに同社は全社を一体で運営し、運用資産残高に基づく手数料収入の拡大を通じて成長を追求しています。
経営方針
同社は今後も既存のコア原則に基づき、資産運用残高(AUM)を着実に拡大することで成長を図ることを目指しています。具体的には、既存戦略でのAUM成長を追求すると同時に、追加のパーマネント・キャピタル(償還期限のない長期資金)や長期商品を順次立ち上げる計画です。2024年末時点で経営陣と従業員に帰属するAUMは約41億ドル(うちキャリー関連22億ドル)に達しており、また全社の管理料の約91%がパーマネント・キャピタル由来である点から、手数料収入の安定化によって運用益の予測可能性を高めることを目指しています。加えて、未だ手数料が発生していないAUMのデプロイが完了すれば年間で約3億ドル超の追加管理料が見込めると同社は試算しています。
同社は投資の重点分野としてクレジット、GP(ジェネラルパートナー)・ステークス、リアルアセットの三本柱を掲げ、規模と専門性で差別化を図ることを目指しています。クレジットではダイレクトレンディングで1,000百万ドル級の大型ローンまで提供できるスケールを強みとし、リアルアセットでは投資適格格付け先や大口取引(通常1億ドル超)に特化することで安定性を追求しています。GPステークス分野では業界内で最大級の資金調達実績を持ち、旗艦ファンドの資金規模は同業のほぼ倍に達する例もあり、これが独自のパイプライン獲得とディール実行の迅速性につながっています。こうした事業構成により、同社は投資機会の幅を広げつつ、投資家ニーズに即した総合的な資本解決を提供することを目指しています。
同社は新市場開拓と事業拡大を積極的に進めることを目指しています。資金調達の79%を米加で行っている現状を踏まえ、国際的なファンドレイジングを強化してクロスセルを進める方針で、未開拓市場への第一導入者(ファーストムーバー)としての進出も視野に入れています。流通チャネルの拡充ではウェルスマネジメントや年金基金、保険、ファミリーオフィスなど多様な投資家層を取り込み、既存の国内リテール経路も活用して製品の相互販売を図る計画です。加えて、戦略的買収も選択肢にしており、これまでにDyalやOak Street、KAM、Primaなどの買収を通じて商品群と投資家基盤を広げた実績を持ち、今後も付加価値の高い案件を選別して取り込むことで成長を加速させることを目指しています。
同社は技術革新を、運用と事業サービスの両面で成長の源泉と位置づけて取り組んでいます。パートナーマネージャー向けのビジネスサービス・プラットフォームではデータサイエンスや人工知能を用いた分析、資本戦略支援や業務効率化を提供し、投資先のデューデリジェンスやポートフォリオ監視の精度向上を図っています。サイバーセキュリティやシステム統合にも投資しており、最高技術責任者(CTO)から取締役会へ定期的な報告を行うことで外部リスクの早期把握と対応を強化しています。これにより運用効率を高めつつ、拡大する事業規模に耐えうるオペレーション基盤の整備を目指しています。