OLD REPUBLIC INTERNATIONAL CORPORI

時価総額
$113.5億
PER
商業向け特殊損害保険と不動産タイトル保険の大手。商用自動車保険が主力で2024年の純料の41.9%を占める商品を展開、投資収入は2024年に673.1百万ドルを計上。RMICCを2024年5月31日に売却で136.6百万ドル回収と51.0百万ドル損失計上。米国中心に展開。

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企業概況
108文字)
業績概況
テーマ
1項目)
ブランド
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2社)
同業種の日本企業
3社)

事業内容

OLD REPUBLIC INTERNATIONAL CORPは保険事業を中核とする持株会社で、主に商業向けの損害保険(特に特定ニッチ向けの引受)と不動産取引に伴う所有権保険(タイトル保険)を手掛けている。同社は保険契約を引き受けて保険料を集めるとともに、不動産の権利に関する欠陥や担保権のリスクを補償するタイトルポリシーを発行している。

主要な顧客は企業や事業者、ブローカーを通じた商用部門の契約者および不動産の購入者や投資家で、損害保険部門では商用自動車保険が最も大きな比率を占める。同社の収益は保険料とタイトル関連の手数料が中心であり、保有資産からの投資収入も業績にとって重要な収入源となっている(2024年の純投資収入は約6.7億ドル)。

事業は「Specialty Insurance」と「Title Insurance」の二つの報告セグメントで構成され、Specialty側は17の引受事業体を通じて労災、物的損害、一般賠償、航空、役員賠償、保証やワランティといった多様なニッチ分野を扱っている。タイトル部門は公的記録の調査に基づいて権利上の欠陥や差押えなどに対する保険を発行する。経営は長期的な引受収益性と強固なバランスシートを重視し、保険責任を支えるために債券中心の投資ポートフォリオを運用している。

経営方針

同社は長期的に高収益な営業成果を追求すると同時に、保険子会社の健全なバランスシートを維持することを成長戦略の柱としています。具体的には、専門性の高い損保分野(2024年に「Specialty Insurance」と改称)とタイトル保険の二本柱で事業を運営し、社内の主要判断指標として保険引受の損益を示す「コンバインド比率」を重視して資本配分を決めています。株主還元では、2024年に29.9百万株、総額約9.52億ドルを自己株買いしたほか、2024年12月に1株当たり2.00ドルの特別配当を実施するなど、余剰資本を積極的に株主に還元しています。

同社は重点投資分野として、用途が明確なニッチ市場に特化した17の引受ビジネスを重視しており、商用自動車保険がSpecialty Insuranceのネット保険料の約41.9%を占めるなど特定領域での強みを築いています。差別化策としては、専門的な流通チャネル、引受・査定・クレーム処理・リスク管理の各プロセスを事業ごとに最適化することで競合と一線を画しています。投資面では、投資ポートフォリオの約84%を固定利付債に振り向け、保険負債との満期の整合を図ることで安全性を高める方針です。

同社は新市場開拓と事業拡大を、外部買収よりも内部での新引受子会社への投資で進める方針をとっています。これら新事業には立ち上げ段階で先行投資が必要で、規模化を図るため追加支出が見込まれる点を経営陣も明確に説明しており、投資の成功によっては追加資本を投入する一方、失敗リスクも認識しています。最近の資本配分の例としては、2024年5月に抵当保険事業RMICCを約1.366億ドルで売却したことや、親会社が子会社から2025年に引き出せる配当上限を約9.52億ドルと見積もっている点が挙げられます。

同社は技術革新を競争力維持の重要要素と位置づけ、複数の子会社に分かれた既存IT基盤の統合・更新と、人工知能などの新技術の導入に継続的に資源を割いていく方針です。経営陣はAIを商品開発、引受・価格設定、クレーム管理の全工程に活用することで効率化と精度向上を目指す一方、遅れが生じれば競争上の不利になるリスクを認めています。人材確保・報酬面でも2024年に株式報酬費用として約3,320万ドルを計上しており、技術と人材への投資を通じて運用基盤の強化を図っています。