Option Care Health, Inc.OPCH

時価総額
$46.2億
PER
在宅注入サービスの大手。抗感染症、静脈栄養、免疫グロブリンなど多様な在宅療法を、2024年12月31日時点で計8,088名のスタッフで展開。2025年1月に5億ドルの自社株買い枠承認、2024年5月に5,000万ドルの追加タームローン設定。全米で展開。

ランドスケープPowered by 会社四季報オンライン

企業概況
103文字)
業績概況
テーマ
ブランド
ライバル企業
1社)
同業種の日本企業

事業内容

Option Care Health, Inc.は在宅医療分野で点滴や注射を用いた治療とそれを支える看護サービスを中心に展開しています。同社は抗感染治療向けの点滴、経腸・静脈による栄養サポート、免疫グロブリン療法、慢性炎症性疾患や神経疾患の管理、出血性疾患の輸注など、幅広い在宅注入療法を患者の自宅で提供しています。

同社の主要顧客はメディケア・アドバンテージやマネージド・メディケイドなどの管理型医療組織(MCO)、民間保険や薬局給付管理者(PBM)、病院や医師からの紹介で、2024年は収益の約88%をMCO等の非政府系支払者から得ています。収益は薬剤の納品収入と看護・ケア調整のサービス収入で成り立っており、支払者との契約条件や入札競争が収益に大きく影響します。

同社は会計上は単一の報告セグメントである在宅点滴サービスとして運営し、薬剤の納品時に薬剤収入を、訪問看護の実施日に看護収入を計上しています。約2,900名の看護師を含む臨床チームとNaven Healthという全国規模の在宅点滴看護ネットワークを通じて治療を支え、製薬会社や支払者との提携強化や買収を成長の柱としています。

経営方針

同社は在宅での点滴・注入サービスを中核に、買収と有機的拡大を組み合わせて成長を図っています。2024年の売上高は約49.98億ドル、当期純利益は約2.12億ドルを計上しており(注入サービス収入は約49.12億ドル)、収益の約88%が医療保険運営組織や民間保険などの契約先から来ています。成長資本の配分では、直近では2025年1月に南東部の在宅注入大手を約1.17億ドルで買収したほか、株主還元として2025年1月に新たに5億ドルの自社株買い枠を承認するなど、買収と資本政策を両輪で進めています。

重点投資分野は薬剤調製設備や薬局ネットワーク、看護師とケアコーディネート体制の強化です。具体的にはクリーンルームを備えた薬局を全米に92カ所、外来型注入スイートを93カ所運営しており、専任の看護ネットワーク「Naven Health」を通じて約2,900名の臨床スタッフを確保しています。同社は医薬品供給の調達力、保険者との全国的な契約力、専門看護師による在宅ケアの組織化で差別化を図り、高額薬剤や複雑な治療の在宅移行をビジネス上の強みとしています。

新市場開拓と事業拡大の計画は買収による地域展開と保険者との関係深化に軸足を置いています。同社は買収を成長の重要な手段と位置づけ、過去数年で複数の小規模・中規模の事業買収を実施してきました。資金調達は手持ち現金や与信枠を活用する方針で、必要に応じて追加の調達も想定しており、医療保険事業者との入札や契約でボリュームを高めることで収益拡大を狙っています。これにより43州にわたる拠点網を維持・拡大し、保険者ベースの患者取り込みを加速させる計画です。

技術革新については臨床プラットフォームと情報セキュリティへの投資を強めています。臨床プラットフォーム「Naven Health」を通じて治療成果のデータ収集や看護師の派遣管理を効率化し、医薬品と看護サービスを一体で提供する運用をデジタル化しています。また最高情報セキュリティ責任者(CISO)を中心にセキュリティ委員会を設け、患者データ保護や保険請求の遅延解消に向けたシステム改善にも取り組んでいるため、診療品質と請求回収の両面での効率向上が期待されます。