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OLD NATIONAL BANCORPONB
事業内容
Old National Bancorpはインディアナ州に本社を置く金融持株会社で、主に中西部と南東部を中心に商業・個人向けの銀行サービスを展開しています。同社は預金の受け入れや住宅ローン・自動車ローンなどの貸出に加え、資産運用や信託、資本市場に関わる業務も行っています。
主要な顧客は地域の個人と中小企業から大企業まで幅広く、個人は預金や住宅ローンを、企業は運転資金や商業不動産融資を利用しています。同社の収益は貸出に伴う利息収入が中心で、ローン組成や口座管理、投資・資産運用に関する手数料収入も重要な収入源になっています。
事業は個人向け銀行、法人向け銀行、資産運用・信託・証券の三本柱に分かれており、固定・変動の住宅ローンやホームエクイティ、間接型の自動車ローン、商業ローンや商業不動産ローンなど多様な商品を扱っています。同社は支店網とキャッシュカードやATM、オンラインやモバイル取引を組み合わせて顧客と接点を保ち、合併・買収による地域拡大にも注力しています。
経営方針
同社は規模の拡大と収益基盤の強化を成長の中心に据えています。総資産は2024年12月31日時点で約536億ドル、全米で上位30行に入る規模を持ち、280の銀行拠点を有しています。株主還元と資本効率の両立を図るために、取締役会は2025年2月に最大2億ドルの自社株買い枠を承認しており、これを資本配分の重要な手段としています。同社は合併・買収と有機成長を組み合わせて規模と収益性を高め、得られたスケールでさらなる投資を行うことを目指しています。
重点投資分野は商業銀行、富裕層向け資産管理(ウェルスマネジメント)、および資本市場サービスです。地域密着のコミュニティバンキングを基本にしつつ、商業貸出の平均取引規模(商業ローン約71.6万ドル、商業不動産ローン約156.7万ドル)を生かして中堅企業や不動産関連の法人顧客を獲得する戦略をとっています。差別化の施策としては、地域ごとの販売チームによる関係構築と、預金や融資を組み合わせたクロスセルを強化することで、低コストのコア預金を拡充し収益安定化を図っています。
新市場開拓と事業拡大はM&Aを軸に積極的に進められています。既に2022年にFirst Midwestとの合併、2024年4月にはCapStar(取得対価約4.18億ドル、取得資産規模約31.1億ドル相当)の買収を完了しており、2024年11月にはBremer(総資産約165億ドル、預金約132億ドル)を約14億ドルの規模で買収する合意を発表、2025年中頃の完了を目指しています。これらの取引で中西部・南東部の市場カバレッジと富裕層向けプラットフォームを拡大する一方、規制承認や統合コスト・一時的な希薄化といったリスク管理も並行して進めています(必要に応じて株式発行を行う可能性や、従業員・顧客の維持が課題となる点を踏まえた対応をとっています)。
技術革新については、合併による規模拡大を活かしてデジタルとインフラ投資を加速する方針です。オンライン・モバイルバンキングや決済プラットフォームの強化、資産運用業務のデジタル化に資金を振り向けることで、消費者・法人向けの利便性と収益源を増やす狙いです。加えてサイバーセキュリティや法令遵守にも重点を置いており、重要なサイバー事象に関する当局への速やかな報告体制(重大インシデントは36時間以内の当局通知、SEC向けは原則4営業日以内の開示など)を整備してリスク低減を図りつつ、技術投資での差別化を進めています。