OneMain Holdings, Inc.OMF

時価総額
$6.1億
PER
個人向けローン・自動車ローン・クレジットカード・保険を提供する消費者金融の最大手。BrightWayカードや金融ウェルネスサービスを展開。2024年4月にFoursightを1.25億ドルで買収。米国47州で展開。

事業内容

OneMain Holdings, Inc.は米国で非プライム層を主な対象に個人向けの消費者金融を中心とした事業を展開する金融持株会社です。同社は個人ローンや自動車ローン、クレジットカード、任意のクレジット保険やその他オプション商品を取り扱い、ローンの組成から保有・債務管理・サービシングまで一貫して行っています。

同社の主要顧客は銀行などから十分な信用枠を得にくい個人で、生活資金や自動車購入資金のニーズが中心です。収益はローンやクレジットカードからの利息と手数料が主力で、保険販売や第三者向けのローンサービシングも収入源になっています。

事業面では「消費者と保険(C&I)」を単一の報告セグメントとして運営し、個人ローンは有担保・無担保の固定期間型が中心、オートファイナンスは販売時点での貸付を拡大しています。クレジットカードはBrightWayとBrightWay+を取り扱い、保険商品は子会社を通じてクレジットライフや障害、失業などの補償を提供しています。

同社は1,300を超える支店網とデジタルチャネル、ディーラー網を組み合わせて47州でサービスを展開し、自社保有分と第三者保有分のローン両方をサービシングしています。豊富な顧客データと分析能力、多様な資金調達手段により信用リスク管理と資金の安定確保を図り、非プライム市場での成長を目指しています。

経営方針

同社は非プライム(信用が限定的な)消費者向け貸出で堅実かつ持続的な成長を目指しています。2024年末時点で保有するファイナンス債権は約236億ドル、管理下資産は約247億ドルに達しており、個人ローンは約240万件で約208億ドル、クレジットカード残高は約78万口座で約6.4億ドルといった規模があります。自己資本や流動性の確保にも注力しており、取締役会は株主還元策(四半期最小配当1.04ドルの継続検討や1億ドルの自社株買い枠延長)や長期資金調達(複数回の社債発行や無担保リボ枠1.1億ドルの維持)を通じてバランスを取る方針です。

重点投資分野は、店舗とデジタルを組み合わせた「オムニチャネル」網、信用管理能力、そして資金調達基盤の多様化です。同社は全国約1,300拠点の支店網とオンライン/コールセンターを併用し、顧客接点の幅広さを差別化要因としています。与信面では独自データと高度な解析によるスコアリングや審査プロセスを強化し、保険や付帯商品で収益を補完するとともに、RMBSや専用ファシリティなど複数の資金ソースを活用して安定的な資金供給を確保しています。

事業拡大では自動車ファイナンス分野の急速な拡大が目立ちます。2024年に獲得したFoursight(買収対価125百万ドル)はディーラーネットワークや与信モデル、スケーラブルな技術を取り込む目的で取得され、買収後は自動車ローン件数が54千件から127千件へ、残高は7.45億ドルから21億ドルへと拡大しました。これにより販売店経由の起点融資の拡充や既存顧客との関係深化を図り、クレジットカード事業やローン保有・回収サービスの拡大も並行して推進しています。将来的な追加買収や資本発行の余地も残しており、戦略的な成長機会を柔軟に検討する姿勢です。

技術革新については顧客体験のデジタル化と与信の高度化を両輪で進めています。デジタル向けクレジットカード(BrightWay系)や家計支援アプリ「Trim by OneMain」を通じて利便性を高める一方、社内では分析基盤と意思決定ツールの投資を強化して貸倒れ率の低減と価格設定精度の向上を図っています。Foursightの「スケーラブルな技術」と「実績ある与信モデル」も統合し、業務効率化とリスク管理の強化、ならびにサービス提供チャネルの一体化を目指しています。