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ONEOK INCOKE
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事業内容
ONEOK, Inc. は、米国を拠点とする大手ミッドストリーム企業で、天然ガスや天然ガス液、精製燃料、原油の輸送・貯蔵・処理・輸出に特化したインフラを運営しています。 同社は広域にわたるパイプライン網と処理プラント、ターミナルや海上輸出設備を持ち、供給元から需要地・輸出先までの中間工程を一貫して担っています。
主要な顧客は探査・生産会社、パイプライン事業者、製油・石油化学企業、そして天然ガスや電力の公益事業者などの大手企業です。同社は輸送や処理に対する手数料収入と、液体類や残留ガスの売買に伴う商品収益の両方で収益を上げており、手数料中心の契約は比較的安定的なキャッシュフローを生み、商品関連収入は価格変動に影響を受けやすい構造です。
事業は大きく天然ガスの集荷・処理、天然ガス液の輸送・分離・貯蔵、そして精製製品・原油のパイプラインとターミナルの各セグメントに分かれています。各セグメントでパイプライン、処理設備、分別(フラクショネーション)施設、貯蔵タンクやマリン端末を運用しており、合弁や買収を通じて地域ネットワークと処理・輸送能力を拡大しています。
経営方針
同社は規模拡大と収益性向上によって安定した株主還元を実現することを目指しています。近年ではマグラン(Magellan)買収(総額約141億ドル、うち株式対価約90億ドル・現金約50億ドル、2023年完了)や、エンリンク(EnLink)支配権取得(約33億ドル、2024年完了)、メダリオン(Medallion)買収(予備的な取得対価約26.2億ドル、2024年完了)などによって資産規模を拡大しており、これらが成長の中心投資となっています。同社は配当を重視しており、2024年の年間配当は1株当たり3.96ドル(前年比+3.7%)で、株主還元の追加手段として最大20億ドルの自己株買い枠を設定(2024年末時点で約1.72億ドルを消化)しています。
同社は天然ガスの採集・処理、天然ガス液(NGL)の分別・輸送、貯蔵および海上輸出など、ミッドストリームのバリューチェーン全体に重点投資することで差別化を図っています。たとえば、ガルフコーストの液体パイプライン網を約2.8億ドルで取得し、モントベルビューやヒューストンの資産と接続する投資を進めており(接続工事は2025年中旬〜年末にかけて実施予定)、液体製品の取り扱い拡大を通じて需給の中心市場での存在感を高めています。資本配分はセグメント別の調整済みEBITDA(営業利益に減価償却等を加味した指標)を基準に意思決定しており、長期契約や統合されたネットワークによる安定収益を差別化要因としています。
同社は既存事業の最適化と新市場開拓を並行して進めています。具体的には、収益性の低い全米系ガス管(3系統)を2024年末に12億ドルで売却し、得た資金と買収で得たスケールをより収益性の高いNGL・精製製品関連や貯蔵・輸出設備に振り向ける方針です。また、メダリオン買収による精製製品・原油の事業統合や、エンリンクを通じたプロセッシング能力の強化により、新たな顧客セグメントや地域市場への展開を図っています。これらの施策は、安定的なキャッシュフロー増加を通じた配当と自社株買いの継続を目指す資本政策と連動しています。
同社は技術面ではリスク管理と運用の信頼性向上に重点を置いています。サイバーおよび物理的な安全対策は企業リスク管理(ERM)に統合され、米国国立標準技術研究所のサイバーセキュリティ指針を踏まえた実務を導入しつつ、外部の専門家を起用した侵入テストや設計レビュー、ベンダー評価を定期的に実施しています。また、会計や報告の内部統制は国際的な枠組みで評価・改善を行い、設備投資や買収評価ではディスカウントキャッシュフローやコスト法などの専門的な評価手法を用いることで投資判断の精度を高めています。これらにより安全性と収益性の両面での持続的な改善を目指しています。