O-I Glass, Inc.OI

時価総額
$19.6億
PER
ガラス容器製造の最大手。ビールやワインなどアルコール飲料、清涼飲料や食品向けのガラス容器を展開。2019年12月のコーポレート・モダニゼーション実施、2024年5月の100百万ドル自己株買い枠設定。米州33工場、欧州34工場を含む19カ国での展開。

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企業概況
111文字)
業績概況
テーマ
ブランド
1項目)
ライバル企業
3社)
同業種の日本企業
2社)

事業内容

O-I Glass, Inc.はガラス容器の大手メーカーで、主に食品や飲料向けの瓶やボトルを製造しています。同社は多様なサイズ・形状・色の容器を量産し、顧客のブランド差別化に寄与する新製品開発や再利用可能な容器にも取り組んでいます。

主要顧客は世界的な食品・飲料メーカーから地域の醸造所まで幅広く、売上は主に年単位または複数年の供給契約に基づく直接販売から得ています。同社は一部を卸業者経由で販売し、製造拠点を顧客の近くに置いて需要見込みに合わせた生産と在庫管理で収益性を高めています。

事業は米州と欧州の二つの部門で管理され、いずれの部門も酒類、清涼飲料、食品、医薬向けの容器を中心に展開しています。同社は大量生産の主力品に加え、高付加価値品や再利用型容器など幅広い製品ラインを保有し、共同開発や軽量化・環境配慮の取り組みで競争力を高めています。

経営方針

同社は短期的にはコスト競争力の強化を優先しつつ、中長期での収益性向上を図っています。具体的には「Fit to Win」と呼ぶ構造改革を通じ、調整後EBITDAを少なくとも$1.45 billion(約14.5億ドル)まで引き上げることを目指しています。2025年の通年では販売トン数は2024年比で横ばい〜やや減少を想定しており、採算の取れない事業からの撤退も選択肢に入れています。資金面では、2025年の営業活動によるキャッシュは約$600 million、設備投資は約$400〜$450 millionを見込んでおり、為替や欧州での価格競争による実質的な値下げ圧力を考慮した慎重な計画です。

重点投資は製造ネットワークの最適化とコスト削減に集中しています。経営は2025年に向けて$175〜$200 millionの「Fit To Win」効果を見込み、すでに当面の生産能力の一部を無期限または恒久的に閉鎖するなどの措置を打ち出し、2025年中頃までに少なくとも7%の生産能力削減を予定しています。さらに販売費や一般管理費(SG&A)を早期に純売上高の5%以下にまで引き下げることを目標にしており、コストの高い拠点を閉鎖して利益の出る生産を残存ネットワークに移管することで、主力市場で「ローコスト」を、プレミアム領域で「ベストコスト」を取る差別化を図ろうとしています。

事業拡大の計画では、まずコア市場での製品ミックス改善と顧客獲得を通じた「収益性ある成長」を目指しています。中長期では地理的な拡大や買収、合弁、戦略的パートナーシップといった選択肢を検討しており、アジア・太平洋地域の残存事業についても価値最大化のための戦略的見直し(売却や再編を含む)を進めています。株主還元面では取締役会が承認した$100 millionの自社株買い枠を運用しており、2025年も少なくとも$40 millionの買い戻しを行う計画です。

技術革新と持続可能性への取り組みも経営戦略の重要な柱です。同社はガラス溶解プロセス改善を目指す「MAGMA」などの技術プログラムにより生産効率と環境負荷低減を図ろうとしていますが、この実行と商業化が計画どおり進まないリスクも明示しています。環境規制対応では欧州排出量取引制度への対応費用が2024年に約$31 million、米州で約$4 million発生しており、今後の規制やクレジット価格の変動が業績に影響を与える可能性があります。加えてサイバーセキュリティや人材育成にも投資し、安全・持続可能な供給体制と顧客との共創で差別化を図る姿勢を示しています。