OLD DOMINION FREIGHT LINE, INC.ODFL

時価総額
$282.2億
PER
企業向けLTL(少量貨物)輸送の大手。統合されたサービスセンター網と先進的物流ITを活用した高速配送を展開。2023年に30億ドルの自社株買い枠設定、2024年5月に2億ドルのASR実施。売上の95%以上を米国で獲得。

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企業概況
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同業種の日本企業
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事業内容

Old Dominion Freight Line, Inc.は米国内を中心に少量貨物の輸送を手掛ける総合物流会社で、高品質な地域間および全国ネットワークによる小口貨物(LTL:少量輸送)サービスを主力として展開しています。顧客の荷物を各地のサービスセンターで集約・仕分けし、自社のトラック網で配送することで、速さと信頼性の高い輸送を実現しています。

同社の顧客は製造業、小売業、第三者物流など多様で、売上の95%以上を米国内サービスが占めています。最大顧客は売上の約5.3%を占め、上位5社で約14.7%、上位20社で約31.1%と顧客分散が進んでおり、運賃は運賃表(タリフ)や交渉契約、入札で決まることが多く、燃料価格変動に対応する燃料サーチャージ制度も採用しています。

同社は全国に展開するサービスセンター(2024年末時点で261拠点)と47の車両整備拠点を核に、集配(P&D)、仕分け、長距離輸送(ラインホール)を組み合わせた一貫した運用を行っています。加えて輸送管理システムや車載通信・安全装置などの技術投資と定期的な車両更新に注力し、付加価値サービスや迅速配送で差別化を図っています。

経営方針

同社は既存のサービスセンター網を軸に市場シェアを拡大し、通過する貨物量(トン数と出荷数)の増加で成長を図ることを目指しています。具体的には米国を中心に261拠点(うち239拠点を保有)というネットワークを活用し、顧客の配送ニーズを取り込むことで収益拡大を狙っています。売上の95%超が米国内から発生しており、最大顧客は売上の約5.3%にとどまるなど顧客分散も進んでいることから、同社は段階的な内需拡大を成長の主軸としています。

設備と人材への重点投資を通じて競争優位を保つことを同社は目指しています。長期的に売上の約10〜15%を設備投資に充てる方針で、2025年の設備投資は約5億7,500万ドルを見込んでおり、その内訳は施設関連約3億ドル、車両購入約2.25億ドル、情報システム等の技術投資約5,000万ドルです。自社保有の拠点がネットワークの約96%のドア容量を占めている点や、非組合の一体的な組織運営により作業の柔軟性とコスト管理を両立していることが、同社の差別化策になっています。

新市場開拓や事業拡大は選択的・段階的に進める方針です。同社は追加のサービスセンター建設や既存拠点の拡張で米国内の容量を増やす計画を優先し、買収については慎重に機会を検討するとしています。資本配分はまず成長準備のための設備投資を最優先とし、その後に自社株買い・配当・必要に応じた買収などを行う方針で、2023年には総額30億ドルの自社株買い枠が承認され、2024年末時点で約22.6億ドルの余力が残っています(2024年中にASR契約で2億ドル相当の買戻しを実行)。

技術革新と安全・セキュリティの両面での取り組みも同社は重視しています。業務基盤はクラウドを含む統合システムで顧客と社内をつなぎ、車載端末や前方監視カメラなどを導入して輸送効率と安全性を高めています。サイバーセキュリティは取締役会のリスク委員会が監督し、米国の標準に基づく体制を整備、年次の対応訓練や外部評価を実施するなど、情報の機密性・可用性を維持する具体的な措置を講じています。