NEWS CORPNWSA

時価総額
$146.4億
PER
メディア・情報サービスの最大手。Dow JonesやHarperCollins、REA(61.4%出資)やMove(80%保有)を含むコンテンツと不動産プラットフォームを展開。Foxtelを売却、2021年と2025年7月15日の各10億ドル自社株買いを実施。米国・豪州・英国中心に展開。

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企業概況
105文字)
業績概況
テーマ
ブランド
3項目)
ライバル企業
4社)
同業種の日本企業
1社)

事業内容

NEWS CORPは、ニュースや情報サービス、デジタル不動産サービス、書籍出版などを手掛けるグローバルなメディア企業で、質の高いコンテンツ制作と配信を中核に事業を展開しています。主力には金融ニュースや調査を提供するダウ・ジョーンズ(The Wall Street Journalなど)、不動産情報サイト(realestate.com.au や Realtor.com®)、およびハーパーコリンズによる書籍出版があります。

同社は一般消費者向けと企業向けの双方を顧客に持ち、収益は定期購読料や紙・デジタルの販売、広告収入、物件掲載料、データやライセンスの販売といった複数の柱で構成しています。こうした収入は定期的に入るサブスクリプション型と、広告や掲載料など取引ごとの収入が組み合わさっており、地域や事業により比率が異なります。

同社は事業を複数のセグメントで運営しており、主要な区分はダウ・ジョーンズ(ニュースと企業向け情報)、デジタル不動産サービス(物件広告と関連サービス)、書籍出版(新刊と版権管理)、ニュースメディア(各国の新聞やラジオ)および経営管理などの「その他」です。各セグメントはデジタル化とコンテンツのライセンス拡大を進め、広告・購読・取引手数料といった既存の収益源を多様化する取り組みを行っています。

経営方針

同社は成長の中心を「定期的な収益の強化」と「デジタル不動産サービスの拡大」に置いています。具体的には、購読モデルや会員収入を伸ばすことで収益の安定化を図りつつ、リアルエステート領域(REA Groupの持分61.4%、Moveの持分80%)やDow Jonesの企業向け情報サービスを成長の柱としています。株主還元も重要な戦略の一部で、2021年の自社株買いプログラムでは2025年6月末で約3.10億ドルの残余があり、さらに2025年7月15日に総額10億ドルまでの新たな自社株買いを承認しており、資本配分を通じて株主価値の向上を目指しています。

同社は投資重点をブランド力と独自データに置いて差別化を図っています。The Wall Street JournalやHarperCollinsなどのプレミアムな編集資産と、realestate.com.auやRealtor.com®に蓄積された不動産リスティング・価格データを組み合わせて、広告やサブスク、企業向けライセンスといった高付加価値商品を提供します。Dow Jonesのリスク・コンプライアンスや価格情報サービスのような企業向けソリューションに注力することで、単純な広告依存から脱却し、収益の質的向上を図っています。

新市場開拓と事業再編は機動的に行われています。Foxtelの売却など、非中核資産の処分を通じて資本を成長領域へ振り向けると同時に、インドなど成長市場での不動産ポータル展開や、住宅ローン仲介など不動産周辺サービスの拡充によりプラットフォームの垂直化を進めています。加えて買収や投資を継続的に検討しているものの、統合リスクや規制、財務的負担といった課題もあるため、取引の選別と実行に慎重な姿勢を維持しています。

技術革新ではデータ基盤とクラウド、人工知能の活用に重点投資を行っています。具体的にはAmazon Web Servicesや主要プラットフォームとの連携を前提に、読者の個別化やレコメンド、企業向けデータ分析の精度向上を進め、AIモデル向けのコンテンツ・ライセンスや技術協業による新たな収益化も模索しています。一方で大型プラットフォームのアルゴリズム変動やプライバシー規制の影響を受けやすいため、同社は技術面での冗長化や知的財産保護、プラットフォーム多様化によるリスク低減にも取り組んでいます。