NETWORK CN INCNWCN

時価総額
$1万
PER
屋外デジタル広告と統合マーケティングの事業の最大手。コミュニティチャネルや道路沿いLEDビジョン、メガビルボードを展開。2022年1月に2,500,000米ドルの転換社債枠設定、2022年8月に寧波の広告権取得を実施。中国中心に香港本社で展開。

事業内容

NETWORK CN INCはデラウェアの持株会社で、本社を香港に置き、主に中国で屋外デジタル広告事業を展開しています。 同社は街頭のデジタルディスプレイやライトボックス、道路沿いのLEDや巨大ビジョン看板といった広告パネルの掲出権を確保し、その広告枠やエアタイムを企業向けに販売しています。

同社の主要顧客は国内外のブランド企業で、広告枠販売が収益の中心です。 同社は広告権利契約を無形資産として取得することがあり、取引先は数十社規模で地域密着型の案件と大手ブランド案件の両方を扱っています。

事業の柱は屋外広告ネットワークの構築・運用と、ビッグデータを活用した統合型マーケティングサービスの提供です。 同社はパネルの設計や部品調達で外部組立業者やサプライヤーと連携し、新たな販売チャネルとして地域密着の「コミュニティチャネル」と大型屋外表示の双方を強化しています。

経営方針

同社は「Community Channel」と呼ぶコミュニティ向けの小売りチャネルを中国全土に展開し、ブランド向けの統合的なインテリジェントマーケティングで業界のリーダーを目指しています。直近では広告収入が2022年の106,498ドルから2023年は446,019ドルへ拡大しましたが、同時に2023年の純損失は1,906,353ドルと投資フェーズ特有の赤字が続いています。短期的にはネットワークの設置権利の取得と顧客基盤の拡大で売上を伸ばし、資本面では最大250万ドルの転換社債枠や関連当事者からの短期借入(2023年末で約1,443,785ドル)などを活用して成長資金を確保する方針です。

重点投資分野は広告パネルや掲出権の取得と、それを支える人材・インセンティブ施策にあります。同社は広告運営権を無形資産として積極的に取得しており、2023年には取得代金の一部を自社株で支払う形で2,065,924株(評価1株当たり0.55ドル、約1,136,258ドル相当)を割当てるなど具体的な投資を行っています。供給側は外部の部品供給業者や組立業者に委託し、2023年時点で約40社のサプライヤーと取引してコストと品質を管理しています。差別化点は、商業ビルやコミュニティといった生活圏に密着した掲出場所を軸に、ビッグデータを活用した広告最適化を売りにする点です。

新市場開拓では、既に寧波(2022年8月稼働)、成都(2023年1月稼働)、天津などで事業を開始しており、今後も大・小規模の各コミュニティへ段階的に展開する計画です。同社は2023年に約30社の顧客にサービスを提供しており、新たなメディア案件の探索や掲出面の追加によって顧客数と単価の両面で拡大を図る方針です。一方で全事業が中国で行われていること、現地規制や人材確保の難しさ、資金状況(株主資本はマイナス)といった制約を認識しており、展開スピードは資金調達や現地対応力に左右されます。

技術面では「ビッグデータに基づく統合インテリジェントマーケティング」の構築に取り組んでおり、広告放映のスケジューリング最適化や掲出効果の計測・分析、遠隔での機器管理といったシステム投資を進めています。ユーザーデータの収集は限定的とする姿勢を示している一方で、サイバーセキュリティ対策や情報管理の整備を経営トップが監督する体制を整え、データ駆動による広告効果の向上と運用効率化で競争力を高めようとしています。人材面ではストックオプションや株式報酬制度(2023年プランは最大1,000万株を想定)を使って営業・管理人材の採用・定着を図る具体策を講じています。