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事業内容
NVR Incは、主に新築住宅の設計・建築・販売と、それに付随する住宅ローンや権利関係のサービスを手がける米国の住宅建築会社です。主力ブランドとしてはNVHomesやHeartland Homesを通じて戸建て、タウンハウス、分譲マンションなど幅広いタイプの住宅を扱い、買い替え層や高価格帯の顧客にも対応しています。
同社の主要な顧客は自宅を購入する個人で、売上の大部分を新築住宅の販売が占めます。加えて、同社は自社の住宅購入者向けに住宅ローンの組成や決済関連の業務を行い、ローンの組成手数料やローン売却益、権利手数料で収益を得ています。
同社は完成済みの建築用区画を第三者から買い取る契約を中心に用い、土地開発の直接的なリスクを抑える戦略を取っていますが、戦略的な場合にはジョイントベンチャーや原地の取得に乗り出すこともあります。事業は地域別の4つのホームビルディング区分(Mid Atlantic、North East、Mid East、South East)と、住宅ローン・権利業務を行うモーゲージ部門で構成され、着工は主に事前販売を前提に外部の下請けに発注する形で進めています。
経営方針
同社は市場シェアの拡大を通じて着実な成長を目指しています。具体的には既存の成熟市場でのシェア獲得と、現在活動中の地域に隣接する市場への拡大を基本戦略としており、2024年末時点で約162,400区画の用地をコントロールしています。受注残(バックログ)は9,953戸、約48億ドル相当で平均受注単価は約481,400ドルと高水準を維持しており、同社はこれらの資産を中心に年間の販売・引渡しを計画しています。配当は行わず、株主還元は自社株買い(2024年に最大7.5億ドルの買戻し枠を複数回承認)などで行う方針です。
重点投資分野では、土地取得のリスク管理と住宅販売の効率化に重点を置いています。同社は原則として土地開発に踏み込まず、第三者開発業者との完成区画購入契約(LPA)を通じて完成区画を取得し、通常は価格の最大約10%までの預託金で区画を確保する戦略を採用しています。これにより在庫回転を高め少ない資本で事業を拡大し、2024年末時点でLPAsに伴う預託金は現金で約764,900千ドル、手形で約8,700千ドルとなっています。差別化要因としては、住宅販売に付随するモーゲージ(住宅ローン)と登記関連サービスを自社で提供することで顧客の購買完結率を高め、融資や引渡しプロセスを一体化して競争力を維持しています。
新市場開拓や事業拡大は、慎重かつ選択的に進められています。同社は基本方針として隣接市場への拡張と、各地域での主導的地位維持による効率獲得を優先しており、必要に応じて開発業者との合弁や限定的な原地取得・開発にも参加します。合弁投資は限定的で、2024年時点のJV投資総額は約29,300千ドル、JVから期待される区画は約5,150区画です。資金面では、住宅ローンのクロージング資金確保のため最大1.5億ドルのリポ契約や最大3億ドルのリボルビング信用枠(信用状枠100百万ドル、12/31/24時点で約14,600千ドルの信用状発行)を有しており、販売拡大に伴う流動性を確保しています。
技術革新と運営効率化にも取り組んでいます。同社のモーゲージ部門は金利変動リスクに備えてレートロックに対応する際に前売り契約(フォワード)を活用し、金利上昇局面でも損失を抑える仕組みを導入しています。また、生産用の組立・部材供給拠点を複数整備して住宅パッケージの標準化・大量生産を進め、2024年の工場稼働率は約49%であり、効率拡大の余地を残しています。社内統制についても2013年フレームワークに基づく管理評価で有効と結論付けられ、外部監査人による意見も得られている点が特徴です。