NVIDIA CORPNVDA

時価総額
$4.35兆
PER
AI向け加速コンピューティングの米国最大手。GPUベースのデータセンター向けプラットフォームとAIソフトウェアを展開。24年6月の10分割株式分割、25年1月期に310百万株買戻し・配当8.34億ドル実施。世界のデータセンター・ゲーム・自動車市場を中心に展開。

ランドスケープPowered by 会社四季報オンライン

企業概況
196文字)
業績概況
147文字)
テーマ
3項目)
ブランド
1項目)
ライバル企業
4社)
同業種の日本企業
2社)

事業内容

NVIDIA Corporationは、高性能半導体とそれに連動するソフトウェアやシステムを設計・販売する企業です。同社は特にAIや高速画像処理向けのGPUを中核に、データセンター向けのサーバーシステムや企業向けAIソフト、クラウドベースのAIサービスなどを展開しています。

主な顧客はクラウド事業者や大手テック企業、自動車メーカー、ゲーム会社、研究機関などで、売上は半導体やシステムの販売に加え、ソフトウェアやサブスクリプション、クラウド利用料が混在する構造になっています。同社はOEMやシステムインテグレーター、代理店を通じた販売が多く、特定の大口顧客への依存が収益に影響を与えやすい点が特徴です。

事業は大きくデータセンター(AI・クラウド向け)、ゲーム、プロフェッショナル可視化、自動運転向けの車載ソリューション、ソフトウェア・サービスの分野に分かれます。同社は半導体を自社で設計し製造は外部のファウンドリに委託するファブレスモデルを採用するとともに、開発者向けツールやエコシステムの拡充でハード販売を補完しています。

経営方針

同社は大規模な人工知能(AI)需要を取り込むことで持続的な成長を実現することを目指しています。実際に決算では2025会計年度の売上高が1,305億ドル(前年から114%増)に達し、特にデータセンター事業は前年から142%増と高成長を示しました。利益率向上の鍵と位置づける一方で、株主還元も重視しており、2025会計年度には自社株を3.10億株、340億ドルで買い戻し、取締役会は追加で500億ドルの買戻し枠を承認しました。さらに配当金として8.34億ドルを支払い、来期に向けた設備投資も増やす予定であるため、同社は成長と株主還元の両立を目指しています。

同社は半導体の単なる設計企業にとどまらず、チップ、接続技術、ソフトウェア、システム、サービスを組み合わせた「プラットフォーム」戦略で差別化を図っています。これにより大規模な言語モデルや生成AI向けに最適化されたHopperや、第四四半期に出荷を始めたBlackwellといった新アーキテクチャが高い需要を生み出しました。エンジニアリング投資も拡大しており、2025会計年度の営業費用は164.05億ドルで前年から45%増加しており、開発やインフラ整備、優秀な人材確保に重点投資を行っていることが数値的にも示されています。加えて、開発者教育やパートナーネットワークを通じてソフトウェア側のエコシステム構築を進めることで競合優位を維持しています。

同社は新市場の開拓と事業領域の拡大に積極的です。従来のゲーミングやプロ向け設計用途に加え、クラウドでのAI基盤提供(NVIDIA DGX Cloud)や、企業向けソフトウェア(NVIDIA AI Enterprise、Omniverse、DRIVEなど)を独立した事業として拡大する計画を打ち出しています。自動運転プラットフォームも伸びを示しており、2025会計年度の自動車関連売上は前年から55%増加しました。さらに買収や戦略的出資を通じた技術・市場の獲得を行う一方で、ファウンドリや組立て業者との関係を強化して供給網の冗長化にも取り組んでおり、同社はソフトウェアとハードウェアを横断する事業拡大を目指しています。

同社は技術革新を最重要事項と位置づけ、研究開発と製品投入を継続的に加速させています。新製品投入に伴う開発費や計算資源への支出が増え、過去年度比で人的報酬や設備投資が拡大しているものの、これにより他社が追随しにくい性能とソフト連携を実現しています。製造は自社工場を持たない方針(ファブレス)で、TSMCやSamsungなどの先端工程を外部調達する一方で、部品調達や在庫リスクを管理するために非取消し発注や供給確保のための前払いや契約を行うなど実務的な対策も講じています。こうした取り組みにより、同社は次世代AI時代の基盤技術を継続的に提供することを目指しています。