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NanoString Technologies Inc (NSTG) 株価
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事業内容
NanoString Technologies Incは、がんや基礎生物学の研究向けに分子を測定する装置や試薬、解析ソフトを開発・販売しています。主力製品にはnCounterのような遺伝子・タンパク質発現解析装置や、組織中の分子分布を解析するGeoMx DSPやCosMx SMIといった空間オミクス向けプラットフォーム、そしてクラウド型の解析基盤AtoMxがあります。
顧客は大学や政府系の研究機関、製薬・バイオ企業、臨床検査室、受託研究機関などが中心で、装置販売と並んで装置で使う消耗品や解析サービスが継続的な収益源になっています。装置は高額で導入判断に時間がかかるため販売には長いサイクルがあり、設置ベースの拡大が消耗品売上や利益率に直結します。
事業構造は主に「装置(ハード)」「消耗品(試薬)」「ソフトウェア/解析サービス」の三本柱で成り立っています。装置は外部メーカーに委託して製造し、消耗品は自社拠点で生産する一方、販売は北米を自社直販中心に、その他地域は代理店(44社)と組み合わせて展開しています。
経営方針
同社はGeoMx、CosMx、AtoMxといった空間生物学プラットフォームの商業化を成長エンジンとし、設置台数の拡大とそれに伴う消耗品売上の拡大で収益基盤を強化することを目指しています。直近の財務面では2022年末時点で現金・現金同等物と短期投資が約1億9650万ドルあり、少なくとも次の12か月の運転資金は確保しているとしていますが、売上の変動や追加資金調達の必要性といった不確実性も認めています。過去には2020年に転換社債で2.3億ドル、同年10月に約2.16億ドルの公募増資を行うなど資本調達を実行しており、将来の成長投資や研究開発のために必要に応じて追加資金を調達する可能性があります。
同社は商業チャネルと製品差別化に重点投資しています。営業面では2022年に商業組織を再編し、顧客との一次窓口の集中化やカスタマーサポート体制の強化を行い、販売効率と顧客体験の向上を図っています。製品面の差別化要因としては、操作が自動化されていて人手を減らせる点、1回の実験で多数の標的を同時に測定できる点、RNAとタンパク質の両方を解析できる点、固定化組織(FFPE)など扱いが難しい試料にも対応できる点、さらには極少量サンプルや単一細胞レベルの解析まで可能な点を挙げており、これらで競合他社との差別化を図っています。
海外市場と事業拡大については、北米は直販を中心に、欧州・アジアなどでは現在44の販売代理店を通じた販売体制を構築しており、さらに代理店網の拡大や既存代理店の性能評価に応じた契約見直しを行う計画です。研究機関や製薬企業、臨床検査機関を主なターゲットとし、販売サイクルが最長で12か月以上と長期化する点を踏まえて導入支援や証明実験の提供を強化する方針です。また、診断用途資産の一部を外部(例えばVeracyte)にライセンス/譲渡しており、これにより受領した5000万ドルの対価や一定の供給契約を通じて臨床分野での収益化を進めています。
技術革新面では空間生物学の研究開発とクラウドベースの解析ソフトウエア(AtoMxなど)に注力しており、従来の装置開発だけでなく大規模なソフトウエア開発や外部クラウド事業者との連携も進めています。外部との共同開発やライセンス(Institute for Systems Biology由来のバコーディング化学等)、Lam Researchとの協業経験もあり、知財の保護にも積極的で10x Genomicsとの訴訟などで権利行使を図っています。一方で新製品やソフトウエアの商業化には時間と投資がかかるため、同社は研究開発・製造・販売の各領域で段階的に投資を行い、製品の採用と再現性を高める取り組みを続けています。