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- NewLake Capital Partners, Inc.
NewLake Capital Partners, Inc.NLCP
事業内容
NewLake Capital Partners, Inc.は、州の許可を受けた大麻事業者に対して不動産資本を供給することを主な事業とする内部運用型の不動産投資信託(REIT)です。同社は事業者が保有する店舗や栽培施設を取得して長期で賃貸する売却・リースバック取引や、第三者からの購入、テナント向けの新築資金提供を中心に事業を行っています。
主要な顧客は州法に基づいて営業する大麻の小売店(ディスペンサリー)や栽培事業者で、銀行からの融資を受けにくい業界の企業が多くなっています。同社の収益は主に長期の賃料収入で構成され、賃料に加えテナントが物件の維持費や税金などを負担する契約が多く、安定的なキャッシュフローを目指しています。
事業の中身は大きく三つに分かれ、売却・リースバックによる物件取得と賃貸、第三者からの物件購入によるポートフォリオ拡充、そしてテナントの要望に応じた新築案件への資金提供です。保有物件は主にディスペンサリーと栽培施設で構成され、同社は地域分散を図りつつ長期の単独テナント契約と親会社や関連会社の保証を組み合わせてリスク管理を行っています。
経営方針
同社は規模の拡大と安定した収益基盤の確立を成長戦略の中心に据えています。具体的には、医療用・成人用の大麻関連施設を対象にしたセール・リースバックや建設請負型の資金提供、第三者からの物件取得を通じてポートフォリオを拡大する方針です。実績としては2024年12月末時点で全米12州にわたり32物件(うち17が小売店舗、15が栽培施設)、13のテナントを保有しており、業界の成長見通し(BDSA予測で2024年の市場規模を約324億ドル、2028年に約460億ドル)を取り込むことで、資産規模とファンド運用収益(FFO)の拡大を目指しています。資金面では最大5,000万ドルの随時株式発行プログラム(ATM)や、自社株買い枠(残余約820万ドル:2024年末時点)を活用して成長資金や資本効率の向上を図っています。
同社は投資対象を「設備投資が大きく、業務継続に不欠の不動産」に絞ることで差別化を図っています。具体的には、栽培施設やディスペンサリー(販売店舗)を長期のトリプルネット(賃借人が維持費等を負担)契約で取得し、賃貸収入の安定化を図るとともに、賃貸契約には親会社や関連会社による保証を付すなど信用面の強化を行っています。社内には不動産・カンナビス・金融の経験者がそろっており、資産ごとの詳細なデューデリジェンスやテナント審査を実行することで、取得価格と賃貸条件のバランスを管理することを差別化要素としています。一般に栽培施設は2,000万ドル超の資本を要する例が多く、こうした大型資金需要に応えることが同社の競争優位につながっています。
新市場開拓と事業拡大については、州単位での合法化の進展を見据えた段階的拡張を行っています。同社はライセンス供給の拡大や新規小売許可が出る州に対して買収やビルド・トゥ・スーツ(開発後に賃貸する方式)での参入を計画しており、既存の12州・32物件という基盤をさらに広げることを目指しています。成長資金は前述のATMプログラムや資本政策で賄う一方、必要に応じて異なる資産クラスへの投資や新しい取引構造の採用も検討するため、投資先の多様化と地域分散によってリスク低減を図る戦略です。ただし、新資産クラスや新地域には法規制・運用リスクが伴うため、段階的な導入と厳格な審査を行う方針です。
技術革新への取り組みとしては、情報セキュリティと内部統制の強化を優先しています。2021年から第三者のIT事業者を導入してクラウド基盤の整備やサイバーセキュリティ方針の策定・検証を進めており、同事業者は外部検証を受けた認証を有しています。取締役会の監督のもと監査委員会がサイバーリスクを監督し、最高経営責任者がサイバー対策を主導する体制を整えています。財務報告の内部統制についてもCOSOフレームワークに基づく評価の結果、2024年12月31日現在で有効と結論付けており、運用の安定化と投資家向け情報の信頼性向上に務めています。