- 米国企業
- NextDecade Corp
NextDecade CorpNEXT
事業内容
NextDecade Corporationは米国テキサス州で大型の液化天然ガス(LNG)輸出施設の開発・建設・運営と、二酸化炭素回収・貯留(CCS)事業を主軸に事業を展開しています。同社はロイ・グランデLNGプロジェクトなどを通じて天然ガスを液化して国際市場へ供給しています。
主要顧客は輸入国の電力会社やエネルギー商社など長期でLNGを調達する企業で、LNG販売による契約ベースの収入が中心です。同社はCCSでは発電所や工場などからのCO2回収サービス料に加え、米国の税額控除(Section 45Q等)やカーボンクレジットも収益源とすることを見込んでいます。
財務報告上は単一の事業セグメントとされていますが、実務上は大きくLNGの液化・輸出事業とNEXT Carbon SolutionsによるCCSの開発・輸送・貯留事業に分かれます。LNG側では複数の生産ユニット(トレイン)の建設と輸出契約の締結を進め、CCS側では捕集設備や貯留サイト、輸送インフラの整備に取り組んでいます。
経営方針
同社は、米国テキサス州のRio Grande LNGプロジェクトの完成とNEXT Carbon Solutions(CCS=二酸化炭素回収・貯留事業)の商業化を通じて事業規模を拡大し、長期的な収益化を目指しています。市場からの評価は、2024年6月28日時点で非関連株主保有分の時価総額が約11億ドルと報告されており、発行済普通株式数は2025年2月20日時点で約2.60億株です。成長の具体的な施策としては、Rio Grande LNGの3系統(トレイン1〜3)に関するBechtelとの固定価格ターンキー契約の改定を重ね、建設の進捗とコスト管理を優先しています。
同社は重点投資分野として液化天然ガス(LNG)設備とカーボンキャプチャー(CCS)技術に資本を集中させています。差別化策として、LNG側では大手EPC(設計・調達・建設)企業との固定価格契約で建設コストとスケジュールのリスクを低減し、CCS側では既に一部の米国特許を取得するなど知的財産で優位性を図っています。財務面の具体策としては、グループ内で約1億7,500万ドルのシニア担保ローンを引き、プロジェクト資金を確保するとともに、主要株主(TotalEnergiesなど)が保有する約45%の議決権を通じて市場開拓や資金調達での協力を得ています。
新市場開拓や事業拡大では、同社はRio Grande LNGを通じて世界のLNG市場への供給拡大を目指し、NEXT Carbon Solutionsでは発電所や工場などCO2発生源からの回収サービスを提供して収益化を図る計画です。CCSの収益構成は、回収手数料、政府のインセンティブ(米国のSection 45Qに基づくメトリックトン当たりの税額控除)および炭素クレジットの売却を想定しており、事業化後のキャッシュフロー確保を重視しています。運営形態としては、Rio Grande関連では合弁事業を通じて事業比率や分配ルール(同社へは運転期に最大約20.8%の分配権)を定め、外部投資家と協調して拡大を図る方針です。
技術革新への取り組みとして、同社はCCS技術の継続的な改良と知財保護に投資しており、秘密保持契約やライセンス契約を活用してノウハウを守っています。液化技術については独占的権利を持たないため、最新の技術動向に合わせた選択と外部パートナーとの連携で競争力を確保する方針です。また、従業員数は2024年12月31日時点で237名と比較的スリムな組織を維持し、外部資本やパートナーを活用して研究開発と現場実装を効率的に進める具体策を講じています。