MICRON TECHNOLOGY INCMU

時価総額
$3203.9億
PER
半導体メモリとストレージ製品の大手。DRAM、NAND、SSDなどのクライアント・データセンター向け製品を展開。2018年に100億ドルの自社株買い枠承認、2024年9月に四半期配当0.115ドルを宣言。台湾、米国、シンガポール、日本、マレーシア、インド、中国で製造・販売を展開。

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企業概況
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業績概況
テーマ
1項目)
ブランド
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ライバル企業
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同業種の日本企業
1社)

事業内容

Micron Technology Incは半導体メモリとストレージ製品を設計・製造する企業です。同社は主にDRAMやNAND型フラッシュといったメモリチップを核に、これらを搭載したソリッドステートドライブ(SSD)やメモリモジュールなどの完成品も提供しています。

主要な顧客はデータセンター事業者やサーバー・ネットワーク機器メーカー、大手のPC・スマートフォンメーカーなどで、上位顧客が売上の大きな割合を占めています。同社は直接販売と流通チャネルの両方を使って収益を上げており、特定顧客や市場の需要変動が業績に影響します。

同社は事業をデータセンター向け、モバイル向け、PC・グラフィックス向け、車載・産業向けなどの市場別に展開しています。製品ラインはチップのコンポーネント販売からSSDなどのシステム製品まで幅があり、各ラインで求められる性能やコスト構造が異なるため、販売先や製品ミックスによって利益率が変動します。

経営方針

同社は安定的な成長と株主還元の両立を目指しています。2024年度の売上高は約251億ドル、営業利益は約13億ドルと回復基調にあり、事業別ではデータセンター向けが約35%を占めています。経営は四半期配当の継続と積極的な自社株買いで株主還元を強化しており、2024年には1株当たり四半期配当0.115ドルを宣言、2018年承認の最大100億ドルの買戻し枠のうち残り約28.1億ドルを保有し、2024会計年度の買戻しは約3億ドルでした。

同社は研究開発と生産能力への重点投資で差別化を図っています。R&D費は2024年に前年から約10%増加しており、新製品の開発に必要な試作ウェーハや先端装置、人材確保に資金を投じています。製品面では自社で設計から組立・試験までをコントロールすることで、性能と供給安定性を訴求しており、2024年には自社の新しいNAND世代を用いた高性能クライアントSSD(3500 NVMe)を投入するなど、単なる部品提供から完成品(SSDなど)のシステム提案へ付加価値を高めています。

同社は新市場の開拓と事業拡大を具体的に進めています。グローバルな組立・テスト(後工程)ネットワークを強化するため、既存の中国西安拠点の拡張工事を開始し、インド・グジャラートの施設も建設中で、後半の需要増に備える計画です。またデータセンターや自動車・産業向けの「インテリジェントエッジ」領域を重視しており、売上構成の多様化(上位10顧客で約50%の売上)と顧客との早期共同設計を通じて長期的な取引拡大を図っています。買収や提携も機会があれば検討する一方で、統合リスクや資本負担にも注意を払っています。

技術革新への取り組みは経営戦略の中核です。同社は製品開発を「性能・機能・信頼性」の社内評価で厳格に完了させるプロセスを運用しており、微細化や高密度化、低消費電力化のためのプロセス改善に継続投資しています。知的財産の保護や人材育成にも力を入れ、約4.8万人の従業員をベースに大学や地域と連携してSTEM人材の確保・育成を進めています。これらの施策により、同社は製品競争力を維持しつつ顧客の要求に応える技術リーダーシップを目指しています。