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MASTEC INCMTZ
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事業内容
MASTEC INCは北米を中心にインフラ建設を手がける企業で、通信、電力(再生可能エネルギー含む)、公益、パイプライン、土木などのインフラの設計・建設・設置・保守・改修を主なサービスとして提供しています。同社は24時間365日の保守や災害復旧、環境計画・法令遵守・除染といった付帯サービスも行っています。
同社の顧客は大手通信事業者、電力・ガス事業者、ユーティリティ、データセンター運営者、政府・自治体など多岐にわたり、収益は長期のマスターサービス契約や個別プロジェクト契約を通じたワークオーダー型の業務が中心です。多くの契約は複数年契約で固定料金や入札により受注し、既存顧客との継続的な関係が安定した売上基盤になっています。
事業はコミュニケーション、クリーンエネルギー&インフラ、パワーデリバリー、パイプラインインフラ、その他の五つのセグメントで運営しており、各セグメントで施工から保守まで一貫したサービスを提供しています。具体的には通信は無線や光ファイバーの構築や家庭向け接続、クリーンエネルギーは風力・太陽・蓄電など発電施設と土木工事、パワーデリバリーは送配電網や変電所の整備、パイプラインは天然ガス・水・二酸化炭素回収の配管や維持管理を担っています。近年は買収でサービス領域と地理的展開を拡大し、脱炭素やデータセンターなど成長分野への対応を強化しています。
経営方針
同社は安定した成長と健全な財務基盤の維持を目指しています。具体的には、2021年以降投資適格格付けを維持しており、事業資金として$22.5億のシニア無担保信用枠を有しているほか、2024年12月末時点で約$17.926億の借入余力を確保しています。従業員は約3.2万人、拠点は約770か所に達しており、通信や電力、クリーンエネルギー、パイプラインなど多様な分野での需要増を取り込むことで売上と利益の拡大を図る方針です。経営は売上やEBITDA、回収日数(DSO)、支払日数、資本支出や金利カバレッジ比率などの指標を定期的に管理し、適正な利幅とキャッシュフローを維持することを目標としています。
同社は重点投資分野として、ワイヤレス・光ファイバー通信、データセンター向け電力・接続工事、再生可能エネルギーや蓄電池を含むクリーンエネルギー、電力送配電網の強化、そして水や炭素回収・貯留を含むパイプラインインフラを挙げています。差別化策は、全国的な地理的プレゼンスと長年の技術力、マスターサービス契約による継続的な受注基盤、労働集約型の施工から保守まで一貫して提供できる「フルレンジ」のサービスにあります。同社は資材比率が高い案件ではマージンが低下する点を認識しており、入札管理の厳格化や複数顧客・複数案件でのリソース配備によって稼働率と採算の最適化を図っています。
同社は成長機会の獲得に向けて選択的なM&Aと事業提携を積極的に活用しています。過去数年での大型買収により事業の多角化とサービス拡充を進めており、2022年の大規模買収によるレバレッジ増加後も投資適格を維持しています。直近では2024年に現金約$8,300万と約$5,600万の将来支払(アーンアウト)を伴う買収を実行し、2023年も現金約$7,000万と小額のアーンアウトで複数案件を取得しています。買収後は速やかな運営・内部統制への統合と、人員・資金の効率的な配分を重視し、必要に応じて不採算事業の売却や構成見直しも行うことでポートフォリオの最適化を目指しています。
技術革新と組織力強化にも力を入れており、同社はファイナンシャルシステムや情報技術の導入・拡張、強固なサイバーセキュリティ方針の実行を推進しています。具体的施策としては、資金循環の短縮を狙った業務プロセスの改善、入社時のオンボーディングや apprenticeship を含む継続的な技術・管理者研修、経験豊富な経営・財務人材の採用・定着、24時間365日の保守・緊急対応体制の強化などを実施しています。これらにより、安全性と品質を確保しつつ、データセンター電力系や蓄電池、炭素回収など将来の成長分野での競争力を高めることを目指しています。