- 米国企業
- METTLER TOLEDO INTERNATIONAL INC
METTLER TOLEDO INTERNATIONAL INCMTD
ランドスケープPowered by 会社四季報オンライン
- 企業概況
- (113文字)
- 業績概況
- テーマ
- ブランド
- (1項目)
- ライバル企業
- (1社)
- 同業種の日本企業
- (1社)
事業内容
METTLER TOLEDO INTERNATIONAL INCは精密な計量機器や分析・検査装置の設計・製造を行い、実験室や製造現場、食品小売店などの計量・品質管理を支援しています。主力製品は研究向けの分析機器、産業・小売向けのはかり・計量システム、製品検査装置とそれらをつなぐソフトウェアで、測定とデータ管理を一体にしたソリューションを提供しています。
同社の顧客は製薬・バイオ、食品メーカー、化学・化粧品、学術機関、食品小売、物流、金属や電子分野など多岐にわたり、特定の顧客に依存しない分散した売上構造を持ちます。製品販売が中心ですが、校正・保守などのサービス契約や部品販売が安定した繰り返し収入となっており、サービス収入は2024年に約24%を占めました。
事業は大きく研究用機器、工業・小売向け計量ソリューション、製品検査・プロセス用センサーとソフトウェアのセグメントに分かれ、それぞれでハードとソフト、導入後の保守や規制対応サービスを組み合わせて提供しています。世界各地に製造拠点と大規模な販売・サービス網を持ち、売上の約5%を研究開発に投じつつ、校正や遠隔サービスなど付加価値サービスの拡充で既存顧客の維持と市場拡大を図っています。
経営方針
同社は持続的な成長と利益率拡大を両立させることを目指しています。2024年の売上高は約39億ドルで、サービス比率は約24%に達しており(2022年20%、2023年23%)、高付加価値のサービス比率をさらに高めることで収益構造を改善しようとしています。具体的施策としては、製品やサービスの価格最適化、コスト削減・生産性向上プログラムの継続、そしてイノベーションを通じた製品ミックスの改善を掲げており、株主還元では2022年11月に追加承認された買戻し枠(25億ドル)を含め、2024年には8.5億ドルを自社株買いに充てるなど資本効率の向上にも注力しています。
重点投資分野として同社はサービス、ソフトウェア、及びフィールドセールスの強化を挙げています。サービス事業は顧客の稼働維持や規制対応を支援する付加価値提供で成長しており、サービス収益の拡大はマージン改善の主要手段です。研究開発投資は売上の約5%を目安に維持しており、過去3年で約5.51億ドルを投じています。ソフトウェアやデジタルツール(計測データ処理や顧客IT連携)に重点を置き、1,600人程度の研究開発・製品エンジニア人員で製品差別化を図っています。また、SternDrive(サプライチェーンと製造の改善)やBlue Ocean(基幹業務の標準化・統合)といった運営効率化プログラムでコスト競争力を高めています。
新市場開拓と事業拡大では、同社は新興国と成長セグメントへの選択的資源配分を目指しています。新興市場は総売上の約34%を占め、そのうち中国が約16%です。中国でのボラティリティは課題ですが、同社は中国での低コスト生産拠点を活用しつつ、医薬・食品・化学・新エネルギーなど政府主導で成長が見込まれる分野へ営業資源を再配分しています。加えて、ライフサイエンスやプロセス分析分野での「ボルトオン」買収を継続的に追求しており、過去の例として単回使用センサーのPendoTECHやスケールアップ支援ソフトのScale‑up Systemsを買収していることが挙げられます。
技術革新への取り組みとして同社はハードウェアに加えソフトウェアと自動化を核に据えています。研究開発費は毎年売上の約5%で、2024年は約1.89億ドルを投じ、信号処理ソフトやアプリケーション開発、装置の自動化・遠隔サービス対応を強化しています。加えて、高度なデータ分析を営業・価格戦略に組み込み、製品入れ替えサイクルの短縮や付加価値ベースの価格設定を進めることで差別化を図っています。グローバルな販売・サービス網と世界最大級の設置ベースを活用し、顧客プロセスの深い理解を技術提案に結びつけることで競争優位を維持しようとしています。