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MOSAIC COMOS
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事業内容
MOSAIC COは、リン酸塩(フォスフェート)とカリ(ポタッシュ)を中心とする作物用肥料と飼料原料の生産・販売を主力とする企業です。鉱山で原料を採掘し、加工・製造施設で濃縮製品や混合肥料に仕上げ、世界中の農業市場に出荷しています。
同社の主要な顧客は、卸売業者、協同組合、独立系小売店、農業の大口顧客および一部の工業用途顧客で、売上は国内販売と輸出の両面で構成されています。収益は肥料の販売が中心で、価格や需給、季節要因に応じて変動し、地域別の販売網や提携組織を通じた流通も重要な収入源になっています。
同社は事業をフォスフェート、ポタッシュ、ブラジル向けの販売・流通部門(Mosaic Fertilizantes)や中国・インドの流通事業などのセグメントに分けています。各セグメントは採掘、製造、混合・袋詰め、港湾・倉庫といった自社ネットワークで連携し、混合肥料、飼料用製品、そして栄養効率を高めるバイオ系補助製品など複数の製品ラインを展開しています。
経営方針
同社は長期的に収益性の回復と1株当たり利益の持続的な改善を目指しています。直近の業績では2024年の売上高が約111億ドル、当期純利益が約1.75億ドルと前年から減少しましたが、取締役会は2022年に総額30億ドルの自社株買いプログラムを承認しており、資本還元を通じて株主価値の向上を図っています。実際に2024年には7,944,507株を約2.35億ドルで取得し、同年末時点で買戻し余力はおよそ9.32億ドル残っていました。また、サウジの合弁会社持分をマアデン株111,012,433株(約15億ドル相当)に交換し、5.22億ドルの売却益を計上するなど、資金の流動化とバランスシート強化を明確な施策として進めています。
重点投資分野は鉱山から製品流通までを一貫して持つ「垂直統合」と、販売網の強化です。同社はフロリダ・ブラジル・ペルーにおけるリン鉱山と、サスカチュワンやニューメキシコのカリ鉱山を核に原料を自前で確保し、北米やブラジル、インド、中国に張り巡らせた倉庫・混合・港湾施設を通じて供給を安定化させています。製品面ではMicroEssentials®などの付加価値製品や、Mosaic Biosciencesに代表される生物学的肥料補完剤に投資しており、Mosaic Biosciencesは2024年にカバー面積を前年の約2倍となる900万エーカーに拡大しました。これらにより「価格以外の差別化」(品質・サービス・作物別提案)を強化しています。
新市場開拓と事業拡大は、既存の国際流通網を活用した拡大と戦略的ポートフォリオ調整で進められています。中国とインドの流通事業は2024年に合計で約1,077,567トンのカリ製品などを取り扱い、中国では2基の年産30万トンの混合プラントを保有しており、同国向けに約32.5万トンのブレンドを販売、さらに85万トン相当の原単位を流通させました。加えて、カナダ輸出機構Canpotexにおける出荷割当は理論上36.2%だが2024年は34.5%に低下したため、同社は自社輸出能力と現地販売チャネルの最適化で市場シェア回復を図っています。ブラジル市場では引き続き主導的地位を維持しつつ、農業ニーズに即した混合・小分け供給を拡大します。
技術革新については、農業分野の生産性向上と環境対応を両立させることを重視しています。Mosaic Biosciencesを通じた生物学的製品の導入やPlant Response買収などで、養分利用効率を高めるソリューションを拡充しており、製品適用面積の拡大という形で成果が出ています。さらに2024年に完了した新しい基幹業務管理システム(ERP)の導入は、在庫・原価・内部統制の改善を目的とした合理化投資であり、生産性と資本配分の効率化に寄与します。加えて、自社でのアンモニア生産(ルイジアナのFaustinaで北米需要の約3分の1を賄う)など、原材料の一部を内製化する取り組みでコスト変動リスクを低減しています。