Montauk Renewables, Inc.MNTK

時価総額
$2.3億
PER
埋立地由来バイオガスを活用した再生可能天然ガス(RNG)と再生可能電力の大手。RNG処理スキッドや低pH中和技術などの技術開発と運転・保守を展開。21年1月22日のNASDAQ上場と2021年特許取得を実施。米国の複数州で事業運営(従業員166人、2024年12月31日現在)。

事業内容

Montauk Renewables, Inc.は、埋め立て地や農業系の廃棄物から発生するバイオガスを回収・処理し、再生可能天然ガス(RNG)や再生可能電力に変換して販売する事業を主力にしている会社です。プロジェクトの開発・建設・運転管理を一貫して行い、処理したガスをパイプラインに供給したり、電力として販売したりしています。

同社の主要顧客は燃料を購入する企業やユーティリティ、大型のエネルギーオフテイカーなどで、売上は長期の販売契約やエネルギー関連クレジットの販売に依存しています。実際に2024年は上位4社がそれぞれ約12〜18%の売上を占め、RNG部門が総売上の大部分を生み出しています。

同社は事業を大きく「再生可能天然ガス(RNG)」と「再生可能電力(REG)」の二つのセグメントで展開しています。RNGでは埋め立てガスや畜産由来ガスを精製してパイプライン供給や輸送燃料向けに販売し、REGではバイオガスを使った発電や太陽光等の電力事業を手掛けるほか、設備保守やプロジェクト運営などのサービスも提供しています。

経営方針

同社は成長を加速させるため、財務的な基盤を活用して選別された開発案件と買収を進めることを目指しています。具体的には、2025年の非開発支出を1,400万〜1,700万ドル、開発関連支出を1億〜1.5億ドルのレンジで見込んでおり(原資料は千ドル単位)、これらの資金は営業キャッシュフロー、手元資金、および120百万ドルのコミットメントがある回転融資枠(拡張オプション75百万ドル)を通じて確保する計画です。借入条件では総レバレッジ比率を3.00以下、固定費用カバレッジ比率を1.2以上に保つという数値目標を設け、財務制約を意識しながら成長投資を行うことを目標としています。

同社は重点的に埋立地由来のバイオガスを原料とする再生可能天然ガス(RNG)と再生可能電力事業に投資することを目指しています。差別化策として長期のガス供給権を持つ案件への集中、土地所有者や畜産業者との深い関係性、約30年の運営実績に基づく運転ノウハウを活かし、現場維持管理を強化するための中央統合型ERP(Microsoft Dynamics)の導入といった運用面の堅実さで競合他社と差をつけています。また、従業員は約166名で、現場運営と技術開発の両面に人的資源を割り当てています。

同社は新市場の開拓と事業拡大において、既存のLFG(埋立地ガス)RNGに加え、廃水処理由来のRNGや圧縮天然ガス(CNG)流通などの機会を追求することを目指しています。具体的なプロジェクトにはMontauk Ag Renewables、Bowerman RNG、Apexの第2施設、EENAのCO2事業などがあり、これらは開発資本の大半を占める見込みです。買収や開発の検討は複数の案件で非拘束の意向表明段階にあり、必要な投資は回転融資枠や運転資金で賄う計画ですが、RIN価格や環境属性の市場変動、規制変更といったリスク管理も併せて行っています(RINや環境属性は再生可能燃料の価値を示す市場指標です)。

同社は技術革新を通じて生産性向上と環境対応を強化することを目指しています。知的財産面では2021年に取得したMontauk Ag関連の特許(残存期間20年)に加え、2022年と2024年に処理水のpH制御技術やRNG処理スキッドに関する暫定特許出願を行っており、現場で使える実装技術の内製化を進めています。さらに、環境属性価格やコモディティ変動に対するヘッジ(デリバティブ取引)やERPの最新版への移行(2025年完了見込み)を通じて運用効率を高め、政策インセンティブ(例:インフレ抑制法=IRA)や業界団体活動も踏まえつつ技術と運用の両輪で競争力を高める方針です。