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- MASS MEGAWATTS WIND POWER INC
MASS MEGAWATTS WIND POWER INCMMMW
事業内容
MASS MEGAWATTS WIND POWER INCは風力発電の技術開発と小〜中規模の発電機器の試作・販売を行う企業です。同社はコスト低減を目指した独自の風車設計と太陽追尾装置の研究開発に注力し、プロトタイプの製作と顧客向け小型ユニットの提供を進めています。
主要な顧客は独立系発電事業者、送配電網の末端で発電が有利な地域の事業者、再生可能エネルギーを選ぶ消費者や送電網に接続できない小規模利用者を想定しています。同社の収益は発電所の開発・運営による電力販売や機器の販売・据付、プロジェクト開発やコンサルティングで得る計画ですが、現時点ではほとんど売上がなく、株式発行などで資金調達を行いながら事業を継続しています。
事業は研究開発とプロトタイプ製造、現地での設置・プロジェクト開発の三分野が中心です。同社は研究開発に資金の約30%を投じ、マサチューセッツ州の拠点で試作機を製作しつつ、従業員は少数で外部コンサルタントを活用する体制で、有機的な拡大や資金が得られれば買収による成長も検討しています。
経営方針
同社は短期的には現行のマーケティングと経営体制を継続しつつ、資金調達を通じて選択的に事業を拡大することを成長戦略の中核に据えています。直近の財務状況は、2023年4月30日時点で現金1,829ドル、運転資本は▲269,880ドルと厳しい一方で、2023年度に普通株の発行で約92,138ドルの資金を調達しており、発行済株式数は約1.52億株に達しています。中期的には同社が把握している約140,000メガワット相当の開発機会を踏まえ、売電で年率20%超の投資回収を目指すなど高収益案件に選択的にコミットしていく方針です。必要に応じて社債や株式発行による資金調達を行いますが、既存株主の希薄化リスクについても明示しています。
同社は重点的に風力の独自機種(MAT)およびソーラートラッカーの開発・改良に投資しています。過去の資金使途では資金調達額の約30%を研究開発に充てており、振動低減や塔体設計の簡素化といった製品面での差別化を図ることで、既存の風力機より寿命と保守性を高め、発電コストの低下を狙っています。市場では「グリーン需要(プレミアム価格)」や配電端の末端(エンドオブライン)、自営電源といった高付加価値セグメントを重視し、高い販売価格や高利回りの確保を目指しています。
新市場開拓と事業拡大は、国内での発電所用地取得・許認可対応・系統接続の確保を軸に進められます。現時点で海外営業や輸出の実績はなく、まずは米国内での実証機や小規模ユニットの生産・販売を通じて実務ノウハウを積み上げる計画です。プロトタイプの製造はウスター(マサチューセッツ)拠点で行っており、追加資金が得られ次第、合併・買収や有望な現地プロジェクトへの出資によるスケールアップを検討しています。資金調達手段としては普通株発行に加え、2023年6月に社長宛の転換社債126,000ドルの発行など柔軟な手段を利用していますが、資金不足が続けば成長計画の縮小リスクがあることも明示しています。
同社は技術革新を成長の要と位置づけており、製品設計での独自性向上と製造工程の標準化に取り組んでいます。具体的にはブレードや発電機まわりの振動抑制、モジュール化による現地組立工数の削減、そしてカスタム部品の調達リードタイム(概ね4〜6週間)を踏まえた生産計画の整備に注力しています。内部統制については人員制約による分掌不足や文書化の遅れを課題として認識しており、管理体制の整備を進めながら信頼性の高い製品を市場に供給することで競争優位の確立を目指しています。