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MARSH & MCLENNAN COMPANIES, INC.MMC
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事業内容
Marsh & McLennan Companies, Inc.は、世界規模でリスク管理、戦略コンサルティング、そして人材・投資に関する専門サービスを提供するプロフェッショナルサービス会社です。同社は保険仲介やリスク助言、戦略・経営改革のコンサルティング、そして人事・年金・資産運用や健康福利厚生に関するソリューションを中心に事業を展開しています。
同社の顧客は大企業や政府機関、法律事務所、年金基金、保険会社など多岐にわたり、収入源は案件ごとの顧問料、保険仲介でのコミッション、そして運用資産に応じた手数料などで構成されています。事業や地域によっては保険の引受手数料や業績連動の報酬が重要な比率を占める一方、コンサルティングは主に顧問料ベースで収益を得ています。
同社は大きくリスク・保険サービス、コンサルティング、人材・投資ソリューションなどの事業セグメントを持ち、保険仲介では企業の損害保険や再保険の手配とリスク設計を行い、コンサルティング部門は戦略立案や業務変革、ブランド・デザインや経済分析などの専門サービスを提供しています。人材・投資部門は健康保険や年金制度の設計、アウトソーシングによる資産運用サービス、タレント評価や報酬設計といった人事領域のソリューションを手掛け、ビジネスごとに手数料型やコミッション型など複数の収益モデルを採用しています。
経営方針
同社は成長を有機的な営業拡大と選択的な買収の両輪で追求しています。直近の実績では2024年の連結売上高は$25,938百万、当期純利益は$4,119百万で、収益拡大と利益率改善を狙う戦略を明確にしています。株主還元も重点課題で、2024年は約$900百万分の自社株買いを実施し、取締役会承認の残枠は約$2.3十億(約$2.3 billion)の買戻し権限が残っています。こうした財務運営を通じて、同社は安定したキャッシュ創出を土台に成長投資と株主還元を両立させようとしています。
重点投資分野はリスク・保険仲介とコンサルティングの2本柱で、具体的にはMarshとGuy Carpenterによる保険・再保険アドバイザリー、Mercerによる人事・年金・資産運用、Oliver Wymanによる戦略・経済分析といった既存事業の強化に資金と人材を振り向けています。同社は約90,000人の従業員を世界130カ国以上で運用するスケールを差別化要因とし、事業間の連携によってクライアントにワンストップで複雑なリスクや人事・資産課題を解決する能力を打ち出しています。人材面では「Colleague Value Proposition」を導入し、採用・定着・育成に投資することで専門性の維持・向上を図っています。
事業拡大は買収を通じた領域拡大が目立ちます。2024年はRisk & Insurance Servicesで10件、Consultingで7件、合計17件の買収を完了し、買収対価の総額は約$9.4十億($9.4 billion)でした。買収先は米国内の専門ブローカー(McGriff、Hortonなど)や年金・投資ソリューション事業(Cardanoの買収など)、OCIOや専門コンサルティング(Vanguardの一部事業、SeaTec、Innopay等)と多岐にわたり、地域的にも米国、欧州、日本、オーストラリアなどでのプレゼンス強化を狙っています。これによりニッチな分野の顧客基盤と専門能力を短期間で取り込み、クロスセルとスケールメリットで収益を伸ばす計画です。
技術革新にはデータ分析とデジタル化を中核に投資しています。人材アセスメントやデジタル決済、AIや分析に強みを持つ企業(The Talent Enterprise、Innopay、Veritasなど)の買収を通じて、サービスの自動化・高度化と顧客向けプラットフォーム化を進めています。同時にサイバーセキュリティやデータ保護への対応を強化しており、規制対応や顧客情報の安全確保に注力することで信頼性を担保しつつ、技術を使った差別化サービスの提供を目指しています。