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MeridianLink, Inc.MLNK
事業内容
MeridianLink, Inc.は金融機関向けに口座開設や各種貸出の申し込み・審査・実行、データ確認を一体化したクラウド型業務ソフトを提供する企業です。同社は複数製品を統合した「MeridianLink One」というプラットフォームで、申し込みから融資実行までの業務を自動化し、ウェブやアプリ、窓口などあらゆる接点をつなぐ顧客体験を提供しています。
同社の主要顧客は銀行、信用組合、住宅ローン業者や専門貸出業者、消費者信用情報機関などで、中堅市場に注力しています。収益は契約に基づく月額の利用料や取引量に応じた従量課金、導入や設定を行うプロフェッショナルサービス料、そしてパートナー経由の紹介や収益分配といった仕組みで成り立ち、契約の最低コミットメントや超過時の追加課金で伸びます。
事業は住宅ローンから個人ローン、オートローンやクレジットカード、口座開設までのローン起点のワークフローと、本人確認や信用情報照合などのデータ検証機能、外部サービスをつなぐパートナーマーケットプレイスで構成されています。同社は直販とチャネルパートナーで販売し、導入支援や顧客成功チームを通じて顧客維持と追加販売を図ることで、モジュール追加や取引増加に伴う収益拡大を狙っています。
経営方針
同社は成長に向けて既存のサブスクリプション収益の拡大と取引量の増加を両輪に据えた戦略を取っています。2024年の売上高は約$316.3百万、純損失は約$29.8百万でしたが、契約の初期期間は通常3年で、売上は契約期間にわたり按分して認識されるため、短期的な変動と中長期の安定収益化を両立させようとしています。成長資金の一環としては、2025年2月に取締役会が最大$129.5百万の自社株買いを承認しており、資本効率の改善や株主還元も重視しています。同時に顧客維持とクロスセルでの売上拡大を目指しており、利用中の顧客が取扱商品を増やすほど単価が上がる価格モデルを活用しています。
同社は研究開発、営業・マーケティング、顧客支援に重点投資して差別化を図っています。2024年の調整後数値では研究開発に約$29.4百万、営業・マーケティングに約$35.9百万、一般管理費に約$40.8百万を計上しており、製品の機能深耕と顧客導入力の強化に資金を振り向けています。差別化の柱は、複数の金融商品を一元的に扱える「プラットフォーム化」とパートナー連携による「Partner Marketplace」で、同社はこれらを通じて金融機関が外部サービスへアクセスしやすくすることで他社との差別化を図っています。また、業務効率化のために2023年と2024年に組織再編を行い、それぞれ約11%、約12%の人員削減を実施、再編に伴う費用として$3.6百万(2023年)と$4.0百万(2024年)を計上しました。
新市場開拓や事業拡大では、買収とチャネル拡大を明確な方針としています。過去の大型買収では住宅ローン領域のOpenCloseを$62.8百万で取得し、中小企業向けのStreetSharesを$28.0百万で取得するなど、外部の専門技術と顧客基盤を取り込むことで製品ラインと顧客層を拡大してきました。今後はデジタル融資や口座開設のマーケットに特に成長余地があると見ており、中堅の金融機関向けを中心にクロスセルやチャネルパートナー経由の導入を進めていく計画です。販売体制は新規獲得チームと既存顧客担当チーム、それにパートナー支援チームで構成され、パートナー経由の収益分配やリセラー関係を通じて営業リーチを広げる施策を進めています。
技術革新への取り組みは同社の中心戦略で、クラウド移行と開発プロセスの近代化に注力しています。製品はマルチプロダクトで「統合データ基盤」を軸にし、いわゆるモジュール化(Composable)された設計で顧客ごとの組合せを容易にすることを目指しています。開発面ではアジャイル開発や継続的な統合・配備(CI/CD)、自動テストを導入して機能改善の速度と品質を高め、パートナーマーケットプレイス経由の外部連携を強化することでプラットフォームの価値を高めています。加えて、クラウド化はセキュリティやスケーラビリティ向上にも寄与するとしており、研究開発投資(2024年約$29.4百万)を通じてこれら技術基盤の強化を進めています。