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MMHO
事業内容
M/I Homesは米国で新築一戸建てやタウンホームの設計・建築・販売を主力とする住宅建築会社です。同社はエントリーレベルから高級帯まで幅広い価格帯の住宅を展開し、購入者向けのアプリ「Journey」を通じて進捗通知や写真、契約書類の管理など購入プロセスを支援しています。
主要な顧客は初めて住宅を購入する層や買い替え層、空巣世帯やマルチジェネレーションの家族など多様で、幅広いニーズに対応しています。収益は主に住宅販売が中心で、加えて住宅ローン仲介やタイトル保険の取り扱いなど金融関連サービスも補完的な収入源となっています。
事業は北部・南部の複数地域に分かれた約17のディビジョンで展開し、各地域の土地取得や商品設計に現地の判断を重視しています。製品ラインは500以上の間取りを揃え、標準化設計でコストや工期を抑えた「Smart Series」など手頃な価格帯のシリーズから高級モデルまで幅広く提供し、タウンホームや多世帯向け物件の開発も進めています。
経営方針
同社は成長と収益性の最大化を掲げ、より手頃な価格帯と「ミドルアップ」向けの商品設計で市場シェアを拡大することを目指しています。2024年は純利益が約5.64億ドルとなり、同社の「Smart Series」が総販売の約52%を占めるなど、手頃な商品が業績を支えました。一方で同社は、2025年は2024年に比べてマージンの圧縮を見込んでおり(市場環境に起因)、それに備えて2025年は用地取得・造成投資を拡大する方針を示しています(機会と投資回収基準を満たす案件に限定)。
重点投資分野は用地と在庫の管理、建設スピードの改善、顧客サービスの強化に集中しています。同社は在庫(造成地・建売在庫等)を約30億ドル(2024年末、千ドル単位で3,022,379)保有しており、用地支出と在庫水準を慎重に管理することで資本効率を高めようとしています。また共同開発等のジョイントベンチャーに約6530万ドルを投資するなど、単独リスクを抑えつつ魅力的な用地を確保する施策を取っています。コスト面では仕入先との全国契約や標準化された設計により建設コストの抑制を図り、顧客満足度は第三者評価で納入30日・6か月時点に測定して品質で差別化しています。
新市場開拓と事業拡大については、新規コミュニティの開設を継続しつつ、タウンハウスなどの多棟住宅や空き家市場に対応した「空き巣(イージー)」向けの小型プラン(主に平屋・主寝室が一階にある設計)など、顧客層別の商品展開を強化しています。対象顧客は初めて住宅を購入する層や階層移動を目指す層、マルチジェネレーションやダウンサイザー(退職後の小規模住宅ニーズ)まで広く、用地取得は投資収益基準を満たす案件に選択的に投資する方針です。販売刺激策としては、金利のバイダウンや一定の購入インセンティブを適宜実施し、販売ペースとバックログのバランスを取ります。
技術革新では、顧客向けの「Journey」アプリによる工事進捗の可視化や契約書類への簡易アクセスなどデジタル体験を強化し、購買から引き渡し後の対応までを効率化してアフターコストの低減と口コミによる紹介獲得を狙っています。施工面では壁・床・屋根のパネル化や廃材リサイクル、標準化プロトタイプによる工期短縮・コスト低減を進め、エネルギー効率の高い材料採用や環境配慮設計も取り入れています。財務面では強固なバランスシートと流動性を維持しつつ株主還元にも取り組んでおり、2024年には約1.2百万株、総額1.77億ドルを自己株式取得に充て、2025年も2.5億ドル上限の買戻しプログラムを承認しています。