MGM Resorts InternationalMGM

時価総額
$102.6億
PER
ホテル・カジノを中核とする総合ゲーミング・エンターテインメント事業の米国最大手。高級リゾート、会議施設、オンラインiGaming・BetMGMを展開。2022年5月にザ・コスモポリタンを約17億ドルで買収、2022年4月のVICI取引で再編。米国、マカオ、日本(大阪IR)を中心に世界展開。

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企業概況
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業績概況
テーマ
2項目)
ブランド
4項目)
ライバル企業
3社)
同業種の日本企業
1社)

事業内容

MGM Resorts Internationalは、ホテルとカジノを中核にした世界的なゲーミング/エンターテインメントの持株会社で、宿泊、カジノ、会議・展示、劇場公演、飲食・ナイトライフ、ショッピングなど滞在型のサービスを中心に事業を展開しています。同社は各施設での体験向上に継続投資するとともに、オンラインのスポーツベッティングやインターネット上のゲーム事業にも注力しています。

主要な顧客は観光や出張で訪れる宿泊客、テーブル・スロットを利用するギャンブル利用者、会議やイベント参加者、そしてオンラインで賭ける顧客層です。同社の収益は伝統的にカジノ収入が大きな柱であり、客室や飲食、エンターテインメント、会議施設といった非ゲーム収入、加えてデジタル事業からのオンライン収入が売上を支えています。同社は会員プログラムやデータを使ったターゲティングで顧客の再来訪と支出を促進しています。

事業面では、米国内の統合型リゾート運営、マカオなど海外でのゲーミング運営、及びデジタル(オンライン賭博・スポーツベッティング)という大きな三本柱で構成しています。同社は外部との提携や選別した買収・開発を通じて国際展開や資産の最適化を進め、長期リースや資産売却も含めた資本配分を行いながら、地域別マーケティングと分析により顧客ごとに最適化したサービス提供で収益拡大を図っています。

経営方針

同社は「世界を代表するゲーム・エンターテインメント企業」になることを目指しています。成長戦略は米国とマカオの統合型リゾートでの収益性向上、国際的な実物資産の拡大、そしてデジタルブランドの成長に集中しています。現状は国内で16のカジノ施設を運営し、持分約56%のMGM Chinaを通じてマカオで2施設を運営しています。資本配分は既存施設の維持・改良、買収・開発による戦略的成長、債務返済、株主還元の優先を軸にしており、2024年には約3,300万株・約14億ドルを自社株買いに充てるなど、資本効率の向上に具体的なコミットをしています。

同社は差別化のために施設投資と顧客体験の高度化に重点を置いています。客室リモデルや新規の飲食・娯楽コンテンツ、プレミアムラウンジなどへの投資を通じて「高品質のリゾート」を維持する一方、会員プログラム(MGM Rewards)を軸とした顧客ロイヤルティの強化で来訪頻度と顧客生涯価値を高めています。マーケティングではブランド大使やオンライン、ラジオ・テレビ・屋外広告、地域オフィスを活用し、メールやSNSで直接接触するなど多面から働きかけています。これらは高度なデータ解析に基づく顧客セグメンテーションと連動し、来客ランクに応じた個別オファーで収益の最大化を図る施策です。

新市場開拓では物理的なリゾート展開とデジタルの両輪で拡大を目指しています。日本・大阪の統合型リゾート事業では2021年に選定され、事業計画(ADP)は2023年に政府認定を受け、2024年に予備工事が開始されるなど具体的に前進しています。また、既存の収益基盤強化のために買収も積極的で、例えば2022年にコスモポリタンの運営を約17億ドルで取得し、同年にデジタル領域の強化のためにLeoVegasを約5.56億ドルで買収しました。さらにBetMGMとの提携により陸上施設とオンライン賭けの連携を進め、新規のiGaming市場やオンラインスポーツベッティングへの参入機会を継続的に検討しています。

同社は技術革新とリスク管理にも投資しています。顧客データの分析基盤を強化してパーソナライズを進めるとともに、デジタルプラットフォームの機能拡充で顧客接点の拡大を図っています。サイバーセキュリティでは国際的な基準(NISTや決済業界の要件)に合わせた年次評価や外部専門家による検査、インシデント対応計画や模擬演習を実施しており、同社の経営陣は2024年12月31日時点で内部統制が有効であると評価しています。技術と安全性の両面を高めることで、顧客信頼と事業の持続的成長を目指しています。