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Mondelez International, Inc.MDLZ
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事業内容
Mondelez International, Inc.は世界的なスナックメーカーで、主にチョコレートやビスケット・焼き菓子の製造・販売を行っています。加えてガムやキャンディ、飲料、チーズや家庭向けの食品など幅広いスナック類を手がけ、OreoやCadbury、Ritzなどのブランドを展開しています。
同社はスーパーマーケットや卸売、量販店、コンビニ、ドラッグストアといった実店舗チャネルに加え、オンライン小売や直販サイトを通じて消費者に商品を届けています。収益は消費財の販売が中心で、地域別やチャネル別の売上構成が変動し、近年は売上の大半が米国外で発生しています。
同社は事業をラテンアメリカ、AMEA(アジア・中東・アフリカ等)、ヨーロッパ、北米の4つの地域セグメントで運営しています。各地域でビスケット・焼き菓子、チョコレート、ガム・キャンディ、飲料、チーズ・グロサリーといった製品ラインを展開し、世界中の製造拠点と流通網を通じて約150か国以上に供給しています。
経営方針
同社は世界のスナッキングでリーダーになることを目指しています。2024年のグローバル売上は約364億ドル、純利益は約46億ドルで、長期的には「オーガニック・ネット・リベニュー(売上の自然成長)」「調整後営業利益」「調整後1株当たり利益(EPS)」といった指標を重視し、利益ドル成長の拡大を目標に掲げています。株主還元でも2024年に約24億ドルを自社株買いに充て、取締役会は2025年までに上限9億ドルの買戻し計画を承認するなどキャッシュ配分を積極化しており、四半期配当は1株当たり0.47ドル(年換算1.88ドル)に増配しています。
同社は成長の重点をチョコレート、ビスケット・焼き菓子などのコア領域に置き、ブランド投資と現地化を両立させることで差別化を図っています。積極的なM&Aでポートフォリオを強化しており、2022年のClif Bar買収(総支払額約29億ドル)、Ricolino買収(約260億メキシコペソ=約13億ドル相当)、Chipita買収(約17億ユーロ=約18億ドル相当)、2024年の中国のEvirth買収(約17億円=約2.4億ドル)などを通じて高成長カテゴリーや地域商品を取り込みました。また、世界共通の共有サービスやサプライチェーン効率化、強いコスト管理を進めるとともに、環境・社会・企業統治(ESG)目標に沿って主要原料の持続可能な調達や包装の削減・リサイクルを推進しています。
新市場開拓と事業拡大では、同社は150を超える国で販売し、約80カ国に拠点、46カ国に147の生産拠点を持つグローバル展開を活かして地域ごとの機会を追求しています。特にラテンアメリカやアジア・中東・アフリカ(AMEA)、東欧などの新興市場に注力し、現地チームにより大きな裁量を与えて素早く商品や商業プランを立ち上げる戦略です。加えて、純増分の成長を狙ってデジタル販売チャネルや直販、eコマース領域の拡大にも投資しており、非米国売上は2024年に約74%を占めるなど国際展開を成長ドライバーとしています。
技術革新については、同社はデジタル変革プログラムとデジタルコマース強化を成長の重要施策と位置づけています。社内のERP導入などシステム投資を含め、2024年資本支出は約13.87億ドル、2025年は最大で約14億ドルを見込んで製造ラインの近代化や生産性向上に充てる計画です。研究・開発では新製品の迅速な試行と拡大を行うためのイノベーション枠組みを整備し、包装や工程の改善で廃棄削減とリサイクル促進を図る一方、商品価格や原材料価格の変動にはヘッジや価格転嫁で対応するなど、テクノロジーと運用改善を組み合わせて成長と収益性を高めようとしています。