MongoDB, Inc.MDB

時価総額
$340.9億
PER
データベースソフトウェアの大手。マネージドDBサービスや開発者向けツールを展開。2023年9月にストリーム処理系企業を1500万ドルで買収。2025年1月31日時点で顧客数5万4,500超、海外売上比率46%、100カ国超に。

ランドスケープPowered by 会社四季報オンライン

企業概況
114文字)
業績概況
テーマ
1項目)
ブランド
1項目)
ライバル企業
3社)
同業種の日本企業
1社)

事業内容

MongoDB, Inc.はドキュメント指向のデータベースソフトウェアを中核に、クラウド上で運用するマネージド型データベースサービスや企業向けソフトウェアを開発・販売しています。主力はクラウドサービスのMongoDB Atlasと、オンプレミスやセルフ管理で利用するMongoDB Enterprise Advancedで、アプリケーション開発者や企業のデータ基盤で広く使われています。

同社の収益は主に定期的なサブスクリプション収入と、MongoDB Atlasの利用量に応じた課金で構成されています。全世界で5万4,500超の顧客を抱え、売上の地域比率は約半分が米国外であり、単一顧客が売上の10%を超えることはありません(2025会計年度時点)。プロフェッショナルサービスやサポートも補完的な収益源になっており、Atlasの利用ベース収入は季節や使用状況で変動します。

事業は大きくクラウド版のMongoDB Atlas、セルフ管理版のEnterprise Advanced、導入支援や保守を行うプロフェッショナルサービスに分かれます。加えてクラウド事業者との協業や、ストリーム処理などの機能拡充を目的とした買収・研究開発にも投資しており、生成系AIなど新しい用途への対応も進めています。

経営方針

同社は持続的な成長と顧客基盤の拡大を目指しています。直近の通期売上高は2025会計年度で20億64百万ドル(約2,006.4百万ドル)となり、前年から約19%の成長を実現しました。また顧客数は2025年1月31日時点で5万4,500社を超えており、大企業向けのサブスクリプション拡大を中心に引き続き成長を追求しています。営業投資としては国内外での直販部隊への積極的な投資を重視しており、四半期の純年間経常収益(ARR)拡張率が直近で118%と既存顧客からの利用拡大が収益の拡大に寄与していることを示しています。

同社は差別化のために研究開発と顧客支援体制を重点的に強化しています。研究開発組織は1,327名、営業・マーケティング組織は2,542名と大規模な人員を投じており、クラウドでのマネージドデータベース「MongoDB Atlas」を中核に据えつつ、性能・可用性・セキュリティ面での機能拡張に注力しています。たとえば暗号化したまま検索できる仕組み(Queryable Encryption)に平等検索や範囲検索の対応を追加するなど、企業が求める実運用上の課題を解く機能を提供して差別化を図っています。

新市場開拓と事業拡大では国際展開と買収を組み合わせて加速しています。2025会計年度の売上の約46%は米国外で発生しており、中国ではテンセントとの提携による提供基盤拡大など地域パートナー戦略を進めています。近年の買収では2025年2月にAI関連のVoyage AIを約2.2億ドルで取得し、埋め込みモデルやリランキング技術を取り込むことでAIを活用したアプリケーション領域へ展開を図っています。合わせて余剰資本の株式買戻し枠として2億ドルのプログラムを承認するなど、資本配分の選択肢も整えています。

技術革新への取り組みは同社の中核戦略で、知的財産を自社で保有することで製品ロードマップの制御を維持しています。直近ではMongoDBバージョン8.0を投入し、検索ノードの地域拡大やストリーム処理機能(Atlas Stream Processing)の強化などを行い、開発者が直面するデータ課題をより広く解決できるようにしています。小さな開発チームによる機動的な開発体制を維持しつつ、Voyage AIの技術統合などで生成系AIや検索精度の向上を進め、AIを活用した信頼性の高いアプリ開発を支援することを目指しています。