MICROCHIP TECHNOLOGY INCMCHP

時価総額
$264.6億
PER
半導体製品と技術ライセンスの大手。マイコンやアナログ混載製品とトータルシステムソリューションを約109,000社向けに展開。2018年5月のMicrosemi買収。米州・欧州・アジア、タイに組立・試験拠点。

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企業概況
121文字)
業績概況
テーマ
1項目)
ブランド
2項目)
ライバル企業
2社)
同業種の日本企業
1社)

事業内容

Microchip Technology Incは、組み込み機器向けの半導体を中心に設計・製造・販売している企業です。マイクロコントローラやアナログ系の半導体に加え、組み込み用のソフトウエアや開発支援ツール、技術ライセンスも扱っています。

同社は世界約109,000の顧客に対して直接販売と流通経由で製品を販売しており、直販と流通の比率は近年ほぼ半々で、2025年度は約45%がディストリビューター経由でした。顧客は電子機器メーカーや受託製造会社、自動車・産業・家電分野など多岐にわたり、上位顧客への依存は限定的です。

事業は大きく「半導体製品」と「技術ライセンス」の二本柱に分かれ、売上の大半を半導体製品が占めています。製品ラインはマイクロコントローラやアナログ製品を軸にしつつ、顧客の設計採用を狙う技術支援や開発ツールを重視しており、設計・一部のウエハー生産を米国で行い、組立・最終試験はタイ等の海外拠点で実施して世界中に販売・サポート拠点を展開しています。

経営方針

同社は収益の回復とキャッシュ創出の強化を成長の中核目標としています。2025会計年度の総売上高は約44.0億ドルで、そのうち半導体製品が約42.7億ドル、技術ライセンスが約1.31億ドルでした。過去数年で在庫の是正や需要変動に直面した結果、製造拠点の再編を進めており、テンペ(Fab 2)工場の閉鎖により年間約9,000万ドルのキャッシュ削減を見込んでいます。加えてファブ4・5やフィリピンのバックエンド拠点での生産体制見直しで年約2,500万ドル、全社の10%の人員削減で年約9,000万〜1億ドルの運営費削減を目指しており、これらを通じて利益率とフリーキャッシュフローの改善を図っています。

同社は重点投資分野として組み込み制御向けの製品群(アナログ、ミックスシグナル、マイクロコントローラ等)と製造内製化を掲げ、差別化を図っています。販売面では約10.9万の顧客基盤とディストリビュータ経由での販路を重視しており、2025年は流通経由売上が45%を占めました。製品面では低消費電力や高集積化、フィールドプログラマビリティ、信頼性・セキュリティの強化などで他社と差別化を図り、かつ開発ツールと技術サポート体制の充実で顧客の設計採用を促進しています。加えて一部の組立・試験能力を外部から内製へ戻すことで供給コントロールと原価競争力の向上を狙っています。

新市場開拓や事業拡大では、長期供給契約(LTSA)や技術ライセンスの拡大、M&Aを含む戦略的な外部連携を積極的に活用する方針です。同社は過去の大型買収を踏まえ、将来的な買収で製品ラインや顧客基盤を補完することを視野に入れています。また、世界各地の販売・技術拠点を通じた市場浸透と、CHIPS法等の投資税額控除の活用を見込んだ製造設備投資の適用で、成長機会を取りに行く計画ですが、資本支出は景気動向に合わせて慎重に調整しており、直近は工場拡張の多くを一時凍結しています。

技術革新への取り組みとして同社は継続的な研究開発と知的財産の確保を重視しており、特許ポートフォリオは最長で2044年までの権利を保有するとされています。新製品の迅速な市場投入と顧客向けの開発ツール提供により「トータルシステムソリューション」を提供し、設計獲得(デザインウィン)を加速しています。併せて、世界的な権利保護や侵害対応にも注力し、製品差別化要素(低電力・高集積・安全性など)を技術面で強化することで長期的な競争優位の維持を目指しています。