Moelis & CoMC

時価総額
$49.2億
PER
投資銀行業務・M&Aアドバイザリーの大手。M&A、資本市場、再編アドバイザリーを展開。2014年IPO、2024年収益1,194.5百万ドル、従業員1,308人の実績。北米・欧州・アジアに20超の拠点。

事業内容

Moelis & Companyはグローバルな独立系投資銀行で、企業の合併・買収、資金調達、財務再編といった戦略的助言を主力に展開している。同社は取引の組成や引受、株式や債務の調達支援、資本構成の最適化や事業再建まで幅広いサービスをワンストップで提供している。

同社の主要顧客は上場大手や中堅の非上場企業、プライベートエクイティなどの金融スポンサー、政府や公的機関、起業家など多岐にわたる。収益は個別契約に基づく手数料が中心で、案件の節目で発生する成功報酬的な性格が強く、業績は四半期ごとに変動することがある。

事業は大きく合併・買収と戦略助言、資本市場での株式・債券発行支援、資本構成や債務の再編に関するリストラクチャリング助言、私募ファンド向けのアドバイザリーと引受・配分支援の各領域に分かれる。20か所以上の拠点と業界別の専門チームを横断して協働する「一体型」の体制で機密保持を重視し、長期的なパートナー関係を通じて繰り返しの取引を獲得することに注力している。

経営方針

同社はグローバル独立系投資銀行としての地位をさらに強化し、持続的な収益成長と株主還元を両立することを目指しています。直近の2024年通期売上高は11.945億ドルで前年から約40%増と大幅に拡大しており、同社はこの勢いを生かして収益拡大を図る一方で財務規律を維持する方針です。具体的な株主還元策としては、2025年3月27日に1株当たり0.65ドルの四半期配当を支払うことを決定しており、また2021年承認の自社株買い枠は最大1億ドルで、機会を見て段階的に実行する計画です。

同社は投資の重点を合併・買収(M&A)、資本構成最適化や再編(リストラクチャリング)、資本市場取引およびプライベートファンド向けアドバイザリーに置いています。差別化戦略としては、貸出や自己売買に依存しない「独立した助言」モデル、極めて高い守秘義務の運用、社内横断の「ワンファーム」姿勢での連携を挙げており、これにより利害対立の少ない助言を提供しています。人材面では過去5年で87名のマネージングディレクターを増員し、約50%のMDが社内昇進であるなど人材育成に投資しており、報酬は株式報酬で従業員と株主の利害を一致させています。

新市場・事業拡大については、地理的・業種的な幅を広げる方針で、20を超える拠点と917名のアドバイザリーバンカーというグローバル基盤を活用して機会を追求しています。具体的施策としては、キャンパス採用やアナリスト・アソシエイト採用を継続し、2024年には8名の新規マネージングディレクターを採用したほか、採算性や市場環境を踏まえた機動的な新拠点開設を行う予定です。また、金融スポンサーの資本蓄積や未売却ポートフォリオ、借入コストの高止まりに伴う長期的な再編需要などの市場トレンドを取り込み、スポンサー関連M&Aや再編案件でのシェア拡大を狙っています。

技術革新への取り組みとして、同社は取引情報の統合管理と情報保護の強化に投資しています。経営陣は統合報告や単一の損益指標を用いて戦略判断を行っており、内部統制の評価はCOSOフレームワークに基づき行われ、2024年12月31日時点で開示統制・内部統制が有効であると結論付けています。機密情報漏えいを防ぐための運用手続きや情報の取扱い基準を整備するとともに、グローバルな連携を促進するためのデジタル基盤や業務効率化ツールへの投資を進め、案件の発掘・実行スピードと安全性を高めることを目指しています。