Mama's Creations, Inc.MAMA

時価総額
$3.9億
PER
調理済み惣菜の新興企業。ビーフ・ターキーのミートボールやグリルチキンなど冷蔵プロテイン商品を展開。2022年に24%出資、2023年に残り76%を取得し完全買収。ニュージャージー・ニューヨークの自社工場で生産、米国全国展開。

事業内容

Mama's Creations, Inc. は、デリや小売向けの鮮度の高い調理済み食品を製造・販売する会社です。同社は牛・七面鳥のミートボールや各種グリルチキン、ソーセージ&ペッパーといった肉製品を中心に、即席の惣菜や単品のパスタ・ライスボウル、冷蔵パッケージのプロテイン商品を展開しており、「オールナチュラル」志向の商品も多く揃えています。

同社の主要な顧客は全国のスーパーマーケットチェーン、デリ、コンビニや大手食品卸で、販売は委託ブローカー網を通じて行っています。売上はデリ売場やホットバー向けが中心で、典型的な小売価格は1ポンド当たり約7.99〜9.99ドル程度ですが、直近では大口顧客への売上集中(単一顧客が約44%を占める例もある)という収益上のリスクも抱えています。

同社はMamaMancini’s、T&L Creative Salads、Olive Branch、さらにChef Inspirational Foods(CIF)など複数のブランド・子会社で事業を運営し、惣菜、サラダ、オリーブ類などを「ワンストップ」供給できる体制を築いています。製造はニュージャージーとニューヨークの自社工場で約95%をまかなっており、新商品や小売向けパニーニ、スナック向けの「ミートボール・イン・カップ」など消費者ニーズに応じた商品開発と流通拡大、関連企業の買収による品揃え強化を成長戦略の柱としています。

経営方針

同社は販売網の拡大とブランドのスケールアップを成長の最優先課題と位置付けており、最終的に「ワンストップ・ショップ」型のデリ事業で10億ドルの売上達成を目指しています。現状は全国で1万店以上の量販店、クラブ店、コンビニなどに製品を供給しており、既存チャネルでのSKU拡充や店頭での配置改善を通じて売上を伸ばす計画です。直近の業績では2025年の純利益が約370万ドル、2024年は約660万ドルと増減はあるものの、同社は利益を配当に回さず事業再投資する方針で、流通拡大や製品開発に資金を振り向けています。

重点投資分野は生産能力と買収による品揃え強化で、差別化は「高品質で手軽に調理できるプレミアム惣菜」にあります。自社生産が約95%を占める製造基盤を活かし、ニュージャージーとニューヨークの拠点で安定供給を図っています(たとえば148 Allen Boulevardの20,188平方フィート施設は月額家賃20,200ドルのリースが2031年11月まで有効)。また、T&L Creative SaladsやOlive Branchの取り込みで小売側にとっての「一括調達先」になれる点を強みにしています。原料面では2024年12月に年間約6,080,000ポンドの鶏肉を固定価格で調達するコミットメントを組むなど、コストと供給の安定化にも投資しています。

新市場開拓について同社は消費者ニーズ主導の製品導入とチャネル多様化を進めています。若年層や外食代替の「スナック化」需要を狙ったMeatballs in a Cupや小売向けパニーニなどの新商品でコンビニエンスストアなど新チャネルに参入し、既存顧客へのクロスセルで出荷先あたりのバスケット額を増やす戦略です。加えて断続的に行ってきたM&A(2023年にCIFを買収)を今後も続け、重要顧客集中(2025年は1顧客で売上の約44%)のリスクを緩和しながら品目・地理の拡大を図る方針です。

技術革新への取り組みは製品・包装の実用性向上と品質管理の強化に集中しています。ソースを添えたトレイ包装で素早く提供できる設計や、USDAが認める「オールナチュラル」基準を満たすレシピ開発を進めることで競合との差別化を図っています。同社はまた新商品開発に伴う販促や店頭導入に注力すると明示しており、パッケージや製造工程の改善、外部製造先の管理によって生産のスケーラビリティと品質維持を両立させることを重視しています。