MID AMERICA APARTMENT COMMUNITIES INC.MAA

時価総額
$158億
PER
アパート運営・投資の米国大手。オンライン入居申込や24時間対応の居住者ポータル、バーチャル見学を展開。2024年5月〜10月にダラス・オーランド・ローリーで計1,002戸を買収。東南部・南西部・中大西洋の16州とワシントンDCで展開(2024年末時点)。

事業内容

MID AMERICA APARTMENT COMMUNITIES INC.は、アメリカ南東部・南西部・中大西洋地域を中心に賃貸住宅(アパート)を所有・運営し、新規取得や開発も行う不動産投資信託です。同社は居住ユニットの賃貸管理を主力事業とし、共用施設や保守・入居者向けのオンライン手続きなど日常的な居住サービスを提供しています。

主要な顧客は入居者で、家賃収入と駐車場や共益費などの付帯収入が収益の柱です。加えて物件売却益や共同投資による収入もあり、これらのキャッシュフローを安定した配当支払いに充てることを目指し、資金調達は借入と株式発行を組み合わせて行っています。

事業の区分としては、既存物件の運営(いわゆる同店事業)、物件取得・開発、資産管理・経営支援の三本柱で展開しています。物件は庭付き低層から中・高層まで価格帯や仕様を分けて保有し、地域や商品構成を分散して経営効率と入居率の向上を図る戦略を採っています。

経営方針

同社は持続的で安定したキャッシュフローを確保し、配当を継続・成長させることを成長戦略の中核に据えています。具体的には外部成長(既存物件の取得や開発)と資産入替(収益性の低い資産の売却)を組み合わせ、総資産に対する純有利子負債比率を調整することで財務の安定化を図っています。資本政策としては調整後総資産に対する負債比率を約30〜36%に維持することを目標にしており、またネットデット/Adjusted EBITDAre(トレイリング)を目標レンジの4.5倍〜5.5倍に保つことを追求しています(2024年12月31日時点のネットデット/Adjusted EBITDAreは約4.0倍)。これは投資機会に柔軟に対応しつつ投資適格クレジットを維持するための数値目標です。

重点投資分野では既存ポートフォリオの運営強化と選択的な取得・開発に注力しています。物件ごとに稼働率向上、賃料適正化、運営経費の管理、定期的な資本投資による競争力維持を図り、地域に根ざした現場運営と本社の集中支援を組み合わせることで差別化を図っています。ポートフォリオは南東部・南西部・中大西洋地域を中心に39市場に分散しており、上位5市場で約41.2%のユニットを占めることで地域別のバランスをとっています。2024年の総営業純益(NOI)は約13.7億ドルで、同社は高い稼働率と費用管理で投資回収を最大化することを目指しています。

新市場開拓と事業拡大では、取得と自社開発を併用する戦略をとっています。2024年にはダラスの386ユニット(約1.06億ドル)、オーランドの310ユニット(約8400万ドル)、ローリーの306ユニット(約8100万ドル)といった取得を完了し、また土地取得や開発への投資も継続しています。開発パイプラインは完成時で合計約2,312ユニット、2024年までの開発費計は約4.78億ドル、計画総額は約8.51億ドルとなっており、共同事業や事前購入(プレパーチェス)を活用してリスクと資本配分を最適化しています。不要資産の売却も適時行い、ポートフォリオの質を維持・向上させる方針です。

技術革新への取り組みでは居住者向けサービスと運営効率化の双方でテクノロジーを積極活用しています。入居申込や契約のオンライン化、バーチャル見学やセルフツアーの導入、需要に応じた価格管理システムなどで入居率と満足度を高めています。同時に情報セキュリティにも力を入れており、米国の標準的なサイバー安全枠組みに基づく運用、第三者による侵入テストや監査、サイバー保険の活用、専門責任者の組織内配置など具体的な対策を講じています。財務面では市場金利リスクを抑えるため固定金利債務を多く保有しており(2024年末時点で約95%が固定金利)、必要に応じて金利スワップ等の手段も用いて安定した資金調達と運営の両立を図っています。