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Macy's, Inc.M
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事業内容
Macy's, Inc.は米国の大手百貨店チェーンで、衣料品、家庭用品、化粧品、アクセサリーなど幅広い商品を直営店舗とオンラインで販売しています。 同社は店舗とウェブの両方で買い物体験を整え、季節商品や自社ブランドを中心に品揃えを強化しています。
主要な顧客は幅広い年齢層の一般消費者で、中所得層が中心です。 同社の収益は店舗販売とオンライン販売が主で、自社発行のクレジットカード手数料や会員プログラムなどの関連収入も利益に寄与しています。
事業は大きく分けてフルラインの百貨店、化粧品や専門品を扱う小型店、都市型の小型店舗、そしてオンライン販売と物流の柱で展開しています。 同社は自社ブランドの商品開発や季節ごとの企画を行い、倉庫や物流センターを通じた在庫管理と配送に力を入れています。 また、割引型の店舗やセール戦略で幅広い価格帯の顧客を取り込んでいます。
経営方針
同社は「A Bold New Chapter」という3年戦略で企業の成長回復と株主価値の向上を目指しています。具体的には、業績の振るわない約150店舗を「非継続」扱いとして閉鎖・資産化し、残る約350店舗を「ゴー・フォワード」と位置付けて重点投資する方針です。2024会計年度は移行と投資の年と位置づけられ、当初想定の約50店より多い64店を閉鎖しましたが、施策の試験場である「First 50」では4四半期連続で既存店売上が成長し、特に婦人向け衣料・ビューティー・婦人靴が他店群を約3.2ポイント上回る成果を出しています。資本配分面では2024年の設備投資が約8.82億ドル、2025年は約8.0億ドルを見込み、配当や約20億ドル枠の自社株買い(残り約14億ドル)を通じた株主還元も継続しています。
同社は成長のためにデジタルやデータ解析、物流の近代化など複数分野への重点投資を進め差別化を図っています。店舗側ではFirst 50での人員配置見直し、商品構成の再編、ビジュアル演出やイベント強化といった実務的な施策を展開し、商品面ではブルーミングデールズや高級ビューティーチェーンのBluemercuryを拡大してラグジュアリー領域での差別化を目指しています。一方で、非効率な店舗や物流拠点は戦略的に現金化や売却・リースバックで収益化し、得た資金を成長余地のある店舗やデジタル投資に振り向けています。
事業拡大では既存のフォーマット多様化と新規出店を組み合わせて成長機会を追求しています。2024年には32店を新規出店し、小型店やアウトレット、直送拠点の整備などで地域ごとの需要に応える体制を強化しました。加えてブルーミングデールズやBluemercuryの拡張によって高付加価値顧客を取り込み、店舗網の再編で見えてきた不採算資産の売却益やキャッシュを原資に、投資・還元の両面で柔軟に対応する計画です。
同社は技術革新を成長の中核と位置づけ、基幹システムの近代化やクラウド移行、在庫計画・配送の自動化に投資しています。データと解析を活用して顧客の購買傾向に基づく商品提案や在庫最適化を進め、生成型AIは顧客対応や物流最適化、マーケティングなどの分野で補助的に活用しています。同社はこうした技術導入により業務の効率化と顧客体験の向上を目指していますが、実装遅延や人材確保の課題が業績に影響するリスクも認識しており、段階的な投資とパフォーマンスの検証を重ねる方針です。