SOUTHWEST AIRLINES COLUV

時価総額
$177.6億
PER
旅客航空の米国最大手。デジタル予約やアプリのマーケティング自動化、座席アップセルと現金+ポイント支払いを展開。2024年収益275億ドル、Elliottが約19億ドルを出資し2024年11月に協力合意の締結。米国中心に国内外路線を展開。

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企業概況
109文字)
業績概況
テーマ
2項目)
ブランド
1項目)
ライバル企業
5社)
同業種の日本企業
4社)

事業内容

SOUTHWEST AIRLINES COは米国内を中心に定期旅客輸送を行う航空会社で、低運賃と高頻度の便で顧客の移動ニーズを取り込んでいます。同社は航空券の販売を主力としつつ、アップグレードされた搭乗順やEarlyBirdなどの優先サービス、宿泊やレンタカー、バケーションパッケージといった付帯サービスでも収益を拡大しています。

主要顧客は個人のレジャー客と法人の出張客で、同社は自社サイトやモバイルアプリを中心に販売を行う一方、旅行管理会社や主要なGDSを通じた流通チャネルも活用しています。収益構造は基本運賃に加えて、会員制度(Rapid Rewards)関連や座席優先などの付帯収入が重要な柱となっており、2024年は付帯収入と搭乗客数の増加が売上を押し上げました。

事業面では消費者向けと法人向けの両輪で展開しており、消費者向けはアプリやデジタル販売の近代化、ジェネレーティブAIを使ったマーケティング改善で予約効率と当日アプリ利用を高めています。法人向けにはSWABIZやSouthwest Business Assist、グループ旅行ツールなどの専用サービスを用意し、運航面では全機をボーイング737系列で統一する単一機種戦略により整備や運航の効率化を図っています。

経営方針

同社は中期的に収益性とキャッシュ創出の回復を最優先に据え、2027年を目標年とする明確な数値目標を掲げています。具体的には、2025年以降の年次座席供給(ASMs)を年率1〜2%の成長に戻すこと、2027年に営業利益率(特別項目除く)を少なくとも10%にすること、同年にフリーキャッシュフローを年1億ドル($1B)超にすること、事後税引き後の投下資本収益率(ROIC)を15%以上にすること、そして財務レバレッジを30%台前半に抑えつつ投資適格格付けを維持することを目指しています。短期的にはキャッシュ確保と株主還元を両立させる方針で、2024年には配当と自社株買いで計6.8億ドルを株主に還元しており、$2.5Bの自社株買い枠を設定しています。

重点投資分野は機材の近代化と運航効率の向上です。同社はボーイング737 MAXの受注枠で有利な価格条件を確保しており、可能であれば2031年末までに既存の古い機材を大半もしくは全部をMAXへ置き換えることを目指しています。これに関連して売却やセール・リースバックを活用し、2024年末には35機の737-800を約8.71億ドルで売却し短期リースで運用を続けるなどの施策を実行しました。加えて、機材の回転時間短縮(ペーパーレス化、通信ツール改善、リアルタイム情報提供)や深夜便の導入で機材稼働率を上げ、これらの効率化とコスト削減策により2027年までに年間5億ドル超のコスト削減を目指しています。こうした取り組みで燃料効率や整備費用の低減を図り、低コスト構造を改めて差別化要因としています。

新市場開拓と事業拡大では、消費者向けの高付加価値商品と提携拡大が柱です。同社は2025年に自社運営の旅行商品プラットフォーム「Getaways by Southwest」を開始し、宿泊や現地アクティビティをパッケージ化して高マージンのレジャー需要を取り込みます。また、国際ネットワーク拡大のために他社とのコードシェアや接続提携を推進しており、2025年第1四半期にはアイスランド航空との大西洋接続を開始、さらに少なくとももう一社との提携追加を計画しています。法人向けにはSWABIZや新しいグループ旅行ツールを整備して企業需要を取り込み、夜間接続便や現金+ポイントなどの新商品で顧客接点を広げる狙いです。

技術革新ではデジタル化とデータ駆動の収益化に注力しています。同社は顧客接点の近代化プログラムを進め、ジェネレーティブAIを含むAI技術を顧客体験全般で試験運用しており、マーケティングではAIによる広告文の最適化でコンバージョンを改善しています。収益管理面ではシステムの微調整と人員強化、確率曲線の再校正で高価格帯の需要を取り込む施策を行い、2024年には補助収入(ノンフェア収入)が過去最高となりました。合わせてコールセンター削減やアプリ利用の向上などで運営効率も高めており、これら技術投資は顧客満足と単価向上、運用コスト低減の双方に寄与することを同社は目指しています。