Lumen Technologies, Inc.LUMN

時価総額
$76.7億
PER
通信ネットワークサービスの大手。ダークファイバー、エッジクラウド、IP/VoIP、マネージドセキュリティを展開。2022年8月に中南米事業を約27億ドルで売却、2023年11月にEMEA事業を約17億ドルで売却。米国中心に北米・アジア太平洋で展開。

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企業概況
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業績概況
テーマ
2項目)
ブランド
ライバル企業
3社)
同業種の日本企業
1社)

事業内容

Lumen Technologies, Inc.は通信ネットワークとデジタルサービスを中核に事業を展開する企業です。同社は広域の光ファイバー網を基盤に、企業向けのクラウド接続、セキュリティ、グローバルなインターネット接続やIP音声サービスなどのネットワーク関連サービスを提供しています。

主要顧客は大手企業や中堅企業、公共機関に加え、個人や小規模事業者まで幅広く、企業向けサービスが収益の大部分を占めます。同社の収益はクラウド接続やネットワークの月次契約など継続的なサービス収入が中心で、従来の回線型音声などのレガシーサービスは収入が減少する傾向にあります。

事業は大きくBusinessとMass Marketsの二つのセグメントに分かれ、Business側では成長分野(未使用の光ファイバー提供やネットワークのエッジでのクラウド接続、グローバルIPなど)、安定収益のイーサネットやVPN、そしてキャッシュ創出を重視する従来サービスに分類して運営しています。同社はさらにマネージドセキュリティ、SD‑WANや統合型コミュニケーションといった付加価値サービスや、消費者向けの光ブロードバンド網の拡大(Quantum Fiberなど)にも注力しています。

経営方針

同社は高成長が見込まれる光ファイバーと企業向けネットワークサービスを成長の主軸に据え、収益構造の再構築と財務の立て直しを目指しています。2022〜2023年に中南米、ILEC(一部地域事業)、EMEAをそれぞれ売却し、ラテンアメリカで約27億ドル、ILECで約56億ドル、EMEAで約17億ドル、合計で約100億ドルの資金を調達しました。今後は配当を再開する計画はなく(普通株の配当は2022年Q4に停止)、その資金を負債削減とネットワーク投資に重点的に振り向ける方針です。事業セグメントではビジネス顧客向けが全体の約79%を占め、マスマーケットは約21%であり、企業向け高付加価値サービスの拡大を優先しています。

同社は差別化の源泉を広域光ファイバーネットワークとネットワークの「エッジ」活用に置いています。具体的には約34万ルートマイルの光ファイバー網を基盤に、ダークファイバー貸出やコンジット(地下ダクト)の提供、Private Connectivity Fabric(顧客専用の接続層)やエッジクラウド接続といった低遅延・高帯域のサービスに重点投資しています。これにより、単純な回線提供ではなく、クラウドやデータセンターとの接続性、セキュリティ運用、ネットワークの自動化・監視といった運用価値で競合と差別化を図る戦略です。

新市場開拓では、家庭向け高速ブロードバンドの「Quantum Fiber」建設や、AI時代に需要が高まるデータセンター接続・帯域需要を取り込むためのPCFソリューション強化が中心です。具体的施策としては、既存の大口企業やホールセール顧客に対する高帯域サービスの販売促進、エッジクラウドやSD‑WANといった運用付きサービスの導入拡大、また建設遅延やコスト上昇に対応するための工事管理とサプライチェーンの改善に投資しています。売却先との移行サービス契約や相互の商取引も存在し(例:ILEC売却に関連して当社が3年間で約3.73億ドルを支払う見込み、逆に約0.67億ドルを受け取る契約など)、これらを事業拡大の実務面で活用しています。

技術革新への取り組みでは、クラウド接続の最適化やネットワークのソフトウェア化を進め、エッジでの低遅延処理やクラウド間の動的なワークロード移転を可能にするツールを整備しています。具体的にはエッジクラウドやクラウド・オーケストレーション、管理型セキュリティサービス(DDoS対策やリモート/オンプレミス型ファイアウォールの運用)への積極投資により顧客の運用負担を軽減する方針です。また、同社はサイバーセキュリティを主要な企業リスクと位置付け、内部統制と開示体制の強化に取り組んでおり、2024年12月31日時点で財務報告の内部統制は有効と経営が結論付けられ、外部監査人による監査を受けています。