lululemon athletica inc.LULU

時価総額
$190.3億
PER
テクニカルなアスレチックアパレルの最大手。高機能ウェア、フットウェア、アクセサリーを展開。2024年9月10日にメキシコ事業を買収。2024年に自己株式5.1百万株を総額16億ドルで買い付け。米州・中国本土・APAC・EMEAの25カ国超で展開。

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企業概況
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業績概況
テーマ
1項目)
ブランド
1項目)
ライバル企業
5社)
同業種の日本企業
2社)

事業内容

lululemon athletica inc.は高機能スポーツウェアやフットウェア、アクセサリーを企画・製造・販売する企業で、ヨガやランニング、トレーニングといった運動向けの製品と、日常で快適に過ごせるライフスタイル向け商品を中心に展開しています。独自の素材やフィット感にこだわった製品開発とブランド体験を重視しています。

同社の主要顧客は健康志向でブランド性を重視する消費者で、特に女性客が多く女性向け商品が売上の約63%を占めています。販売チャネルは直営店舗とオンラインが中心で、米州が収益の大半(約75%)を占めるため、店舗とデジタルを組み合わせたオムニチャネル運営により安定した収益を確保しています。

事業は地域別にアメリカ、チャイナ本土、その他(アジア太平洋と欧州・中東)に分かれており、決算開示もアメリカ、チャイナ本土、残りの地域で行っています。製品ラインはパンツ、トップス、ジャケットのほかアクセサリーやフットウェア、メンズ商品の拡充にも注力し、垂直型の小売戦略と顧客フィードバックを設計に取り入れて差別化を図っています。

経営方針

同社は「Power of Three ×2」という中長期の成長枠組みに基づき、持続的な売上拡大と収益性の向上を目指しています。直近の2024会計年度は売上高が前年から10%増加し、営業利益率は150ベーシスポイント改善、希薄化後一株当たり利益(EPS)は20%増と好調でした(調整後ではそれぞれ50ベーシスポイント、15%増)。2019〜2024の短期ではなく、2021〜2024の複合年成長率が約19%となっており、同社は高い成長トレンドを維持することを狙っています。

同社は製品開発と流通に重点投資し、技術的に差別化された商品群でプレミアムポジションを確立する戦略を取っています。具体的には、先進的な素材やフィット感に投資して女性向け(2024年の売上構成比は約63%)に加え、男性向け(約24%)の拡大を推進しています。直営店舗ネットワークの強化も重要で、2024年は純増56店舗、販売面積は14%拡大しました。併せて株主還元の一環として2024年に510万株、総額約16億ドルを自社株買いに投じ、取締役会は買戻し枠を拡大しており(2025年2月時点で残余認可額約16億ドル)、資本配分にも積極的です。

新市場開拓と事業拡大では、現地直接運営への切り替えや買収を通じた拡張を進めています。代表例が2024年9月のメキシコ事業買収で、取得対価の純額は約1.76億ドル、のれんは約1.47億ドルで計上され、これにより同地域の直営展開とオムニチャネル統合を加速しています。また中国本土では2024年に売上が約41%増と高成長を示しており、欧州・APAC等を含む「Rest of World」も27%成長しました。店舗とオンライン双方の連携(店舗受取や店舗からの出荷、在庫の一元管理など)を拡大し、既存市場での深耕と新市場でのプレゼンス拡大を両立させようとしています。

同社は技術革新にも投資し、顧客体験や業務効率の向上を図っています。デジタルと実店舗を統合するシステムや在庫・物流インフラへの投資を継続しており、店舗での受け取りや配送の柔軟化を実現しています。一方で、lululemon Studio(Mirror)事業ではハードウェア販売からデジタルアプリ型サービスへの戦略転換を行い、コンテンツ面では外部パートナーと提携するなど選択と集中を進めています。また、サイバーセキュリティは経営トップと取締役会が監督する優先課題として扱われ、CIOやCISOが定期的に報告する体制を整備しています。こうした取り組みを通じて、同社は製品面・チャネル面・技術面での差別化を図り、持続的成長を目指しています。