- 米国企業
- LATTICE SEMICONDUCTOR CORP
LATTICE SEMICONDUCTOR CORPLSCC
ランドスケープPowered by 会社四季報オンライン
- 企業概況
- (109文字)
- 業績概況
- テーマ
- ブランド
- ライバル企業
- (2社)
- 同業種の日本企業
- (2社)
事業内容
LATTICE SEMICONDUCTOR CORPは、低消費電力を強みとするプログラマブル半導体を中心に、FPGAを核とした制御・接続・演算のソリューションを開発・販売しています。同社の製品はエッジからクラウドまでの用途を想定し、組み込み機器やネットワーク機器などで「賢く」「つながる」機能を実現することを目指しています。
同社の主要な販売ルートは独立系ディストリビュータとOEM向けの直接販売で、売上の大半が流通経由で生まれています。顧客は通信やコンピューティング、産業機器、自動車、コンシューマー分野の機器メーカーが中心で、製品採用が長期的な収益につながるよう設計勝ち(デザインウィン)を重視しています。
事業は大きくハードウェア(FPGAなどのシリコン製品)、知的財産(IP)ライセンス、設計サービスやソフトウェアツールの三本柱で構成しています。同社は自社で工場を持たないファブレス方式を採り、外部のファウンドリや流通パートナーと連携して製品供給を行い、HDMIなどの標準IPに関するロイヤルティやエッジ向けソフトウェアも収益源としています。
経営方針
同社は持続的な収益成長と粗利率の改善を目指しています。2024年の粗利率は66.8%で、調整後EBITDAマージンは31.8%、純利益は約6,113万ドル(純利益率12.0%)でした。経営はAI関連収入やエッジ市場での拡大を成長ドライバーと位置づけており、株主還元と資本効率の改善も重視しているため、2024年には約1,145,560株を総額約6,700万ドルで自社株買いし、2025年には追加で最大1億ドルの買戻し枠を設定しています。これらの施策を通じて同社は中長期での収益性回復を図っています。
重点投資分野は「低消費電力でプログラム可能な半導体」とそれを軸にしたソフトウエアや知的財産の収益化です。2024年の研究開発費は約1.593億ドルで、同社はプロダクト設計、パッケージ技術、ソフトウエア設計ツール、IPコアの開発に資源を振り向けています。差別化点としては低消費電力性能とエッジからクラウドまでの用途対応、加えてHDMIなどの標準技術に絡む特許収入や、視線検出などのエッジAIソフト(例:Glance)といったソフト領域での付加価値提供が挙げられます。同社は流通チャネルの活用にも依存しており、2024年は流通経路経由の売上が約89%を占め、上位ディストリビュータの構成比(Arrow33.3%、Weikeng31.2%)が高いことも特徴です。
新市場の開拓では、通信インフラやデータセンター、クライアント機器、産業用IoT、工場自動化、ロボット、自動車機器、スマートホームなど複数の用途を狙っています。具体的には顧客の製品設計に入り込む「デザインウィン」を増やすこと、IPライセンスや設計サービスを通じてチップ以外の収益源を拡大すること、フィールドアプリケーションエンジニアによる導入支援で採用を促進することを進めています。また経営体制の刷新や戦略的なM&Aの検討も視野に入れており、海外売上比率が高い(2024年は約82%)点を踏まえたグローバル展開を強める方針です。
技術革新への取り組みは研究開発拠点のグローバル配置とファブレスモデルの活用を軸にしています。主要な開発拠点はオレゴン州ヒルズボロやカリフォルニア州サンノゼ、モントリオール、上海、マニラ、プネー、ペナンなどにあり、先端プロセスや高度なパッケージを外部ファウンドリや組立業者と協業して採り入れることでコスト効率を高めています。研究開発投資は今後も増加を見込む一方、売上に対する比率は徐々に低下させる計画で、加えて特許やライセンス収入の強化で技術優位の維持を図っています。なお、供給網対策としては在庫や外部委託先との協調も進めており、2024年に計上した約700万ドルの一時的な材料償却の非再発を見込んで粗利回復を期待しています。