LAM RESEARCH CORPLRCX

時価総額
$1785.5億
PER
ウェハ処理用半導体製造装置とサービスの最大手。蒸着・エッチング・洗浄装置やファンアウトPLP、3Dスタック対応の先端パッケージング製品を展開。2022年11月に2社を合計153.8百万ドルで買収。従業員数約17,450人(2024年8月時点)、米国・アジア・欧州で展開。

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企業概況
98文字)
業績概況
テーマ
ブランド
1項目)
ライバル企業
3社)
同業種の日本企業
1社)

事業内容

LAM RESEARCH CORPは、半導体ウエハーの製造に使う装置とその関連サービスを世界的に提供している企業です。主力はウエハー上に薄膜を形成する堆積装置、不要部分を除くエッチング装置、工程間の洗浄装置で、微細で高性能なチップ製造を支える工程制御を行っています。

主要顧客はメモリメーカーやファウンドリ、統合デバイスメーカー(IDM)などで、スマートフォン、サーバー、AI、5Gといった用途向けのチップ製造に合わせて装置を導入しています。同社の収益は大型の設備売上と、部品・保守・アップグレードなどのサービス収入が組み合わさった構造で、顧客の設備投資周期により業績が変動しやすい特徴があります。

事業は製造装置とそのライフサイクル支援を中心とした単一の報告セグメントで展開しています。装置側では堆積・エッチング・クリーンに加え、ウエハーレベルの先進パッケージングや高帯域メモリ向けの立体構造対応を進め、サービス側ではスペア部品、再生装置、ソフトウェアによる稼働最適化やアップグレード提供などで顧客の稼働率向上を支えています。

経営方針

同社は成長戦略として、クラウド、人工知能(AI)、5G、IoTなどの需要拡大を背景に、半導体製造装置の領域で売上拡大と株主還元の両立を目指しています。直近の通期売上高は約149億米ドル(2024年度)であり、過去5年のトータルリターンは投資100ドルが約604ドルになるなど高い株主価値を示してきました。経営は設備の販売だけでなく、既存装置のアップグレードやサービスを通じた長期的な収益性向上を重視しており、株式の買戻し(例:2024年2月の加速シェア買戻しで平均取得価格は約917ドル)などを通じて総合的な株主価値の最大化を目指しています。

同社は研究開発と製品ポートフォリオへの重点投資を差別化の中核としています。約1万7,450人の従業員のうち29%超が研究開発に従事しており、つまり約5,000人以上をR&Dに投入していることから、技術革新に大規模な人的リソースを割いています。具体的には成膜(材料を薄く積む工程)、エッチング(不要部分を削り取る工程)、洗浄といったコア技術に加え、後工程でのパッケージング技術(ウェーハレベルの小型封止や3次元積層メモリ対応)に投資を拡大しています。加えて、装置の稼働最適化サービスや部品供給、リファービッシュ品の販売といったライフサイクルサービスで顧客の総所有コストを下げる点も差別化要因です。

新市場開拓と事業拡大では、先端ロジックやメモリだけでなく、先述の高度パッケージング、イメージセンサーや微小機械(MEMS)など関連分野への展開を明確にしています。地理的には中国が売上の約42%、韓国が約19%、台湾が約11%を占めており(2024年度)、地域ごとの顧客連携や現地での供給体制強化を進める一方で、輸出管理や現地競合の台頭といったリスクを織り込んだ戦略をとっています。加えて、技術取得や能力強化のための買収・提携(例:2022年11月の2件の買収で総額約1.54億米ドル)や顧客との共同開発も事業拡大の主要手段です。

技術革新への取り組みは同社の最優先課題であり、ハードウエア、プロセス、材料、ソフトウエアを統合することで顧客の工程変化に対応することを目指しています。特許取得を通じた知財管理(出願中を含め保有特許の存続期間は概ね1年から20年程度)に加え、顧客近接での共同開発やフィールドデータを活用した装置の可用性向上、さらに機械学習などのデータ技術を使った稼働最適化にも投資しています。ESG面では2050年ネットゼロを掲げ中間目標も設定しており、長期的に技術と運営の両面で持続可能な競争力を高めることを同社は目指しています。