- 米国企業
- LOWES COMPANIES INC
LOWES COMPANIES INCLOW
ランドスケープPowered by 会社四季報オンライン
- 企業概況
- (110文字)
- 業績概況
- テーマ
- (3項目)
- ブランド
- (1項目)
- ライバル企業
- (3社)
- 同業種の日本企業
- (5社)
事業内容
Lowe’s Companies, Inc.は住宅向けの大規模なホームセンター事業を展開しており、店舗と自社サイトを通じて建材、工具、木材、家電、園芸用品、キッチン・浴室関連商品など幅広い商品を販売しています。DIY(自分で行う)から大規模な改修まで対応できる商品と、店舗受け取りや宅配を組み合わせたオムニチャネルの販売を行っています。
同社の主要な顧客は一般の住宅所有者と小〜中規模の業者(工事業者、リフォーム業者、物件管理者)で、売上の大部分は商品販売から発生します。加えて、施工付きの販売(インストール)や延長保証・修理サービス、専用のクレジットプログラムなどからも収益を得ており、施工を含む売上は一部を占めています。
同社は事業を小売店舗、オンライン販売、施工サービス、そして大規模な物流ネットワークに分けて運営しており、120以上の配送拠点で在庫補充と配送スピードの向上に取り組んでいます。プロ顧客向けの専用在庫や大型資材・大型家電の取り扱い、独自ブランドと主要ブランドのバランスといった商品ラインナップの最適化にも注力しています。
経営方針
同社は「Total Home」戦略の下で長期成長を目指しています。具体的にはプロ顧客の比率拡大、オンライン売上の加速、取り付け・施工サービスの強化、会員制度による顧客囲い込み、売場効率の向上を重点に据えています。直近の通期実績では売上高が836.7億ドル、比較売上は年度で▲2.7%となった一方で、純利益は69.6億ドル、希薄化後1株当たり利益は12.23ドルでした。株主還元も積極的で、2024会計年度に自己株式を39億ドル買い戻し、配当で25.6億ドルを支払っており、取締役会は150億ドルの自社株買い枠を承認(残余約108億ドル)しています。
同社の差別化は「プロ顧客向けの深い品揃え」と「地域に合わせた売場づくり」、そして施工サービスの充実にあります。プロ向けには高回転品の在庫充足や現場配送の改善、専用の拡張棚(プロ・エクステンデッド・アイル)などで対応し、組織的にプロ比率を高めています。店舗網は米国内で1,748店舗、売場面積は約1.95億平方フィートと広く、商品補給のために120超の物流拠点(地域配送センター、フラットベッドセンター等)を運営している点も競争優位です。加えて取り付け売上は全売上の約5%を占め、販売と施工を分離したモデルで販売効率を高めています。
新市場開拓や事業拡大は、従来の単純な店舗増ではなくサービスとチャネル拡大に重心を置いています。市場ベースの配送モデルは2024会計年度に最終展開を完了し、宅配は多くの商品で標準配送2営業日以内、主要家電はほぼ全米で翌日配送可能という体制を構築しました。加えて同社は中央販売チームや第三者委託の施工モデルを通じて、より大規模な改修案件や「やってほしい」需要(DIFM)への対応を拡大しており、地域別の品揃え最適化と会員プログラム(MyLowe’s)で顧客基盤の拡大を図っています。なお直近の店舗数は前年並みで、成長投資は物流・サービス・デジタル面に集中しています。
技術革新への取り組みは多面的で、同社は数年にわたる大規模なシステム更新を進めています。商品の販売管理システムや会計・財務システムの近代化を進めると同時に、プロジェクト設計ツールやオンライン市場(マーケットプレイス)、ウェブ・アプリのユーザー体験改善に投資しています。これによりオンライン注文と店頭受取、現場配送を一体化する「オンラインと店舗の連携」を強化し、受注から配送までのリードタイム短縮や同日配送の実現に寄与させています。2024会計年度の設備投資額は約19.3億ドルで、今後も技術と物流への投資を継続して事業効率と顧客利便性を高める計画です。