Lantheus Holdings, Inc.LNTH

時価総額
$38.6億
PER
放射性医薬品を中心とする医療用診断・治療事業の最大手。腫瘍向け治療剤や心臓向け診断薬、TechneLite発生器を展開。2022年に資産取得で2.6億ドル前払、2023年に技術企業を買収、2025年1月にPET診断企業を3.5億ドルで買収合意。米国中心にカナダ、欧州、豪州、アジア太平洋、中南米で展開。

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企業概況
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業績概況
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同業種の日本企業
1社)

事業内容

Lantheus Holdings, Inc.は放射性医薬品を中心に、画像診断や治療支援に使う医薬品や診断薬の開発・製造・販売を行う企業です。同社はがんの発見・治療・経過観察を支援する放射性腫瘍薬群、心臓領域に強い精密診断薬、そしてバイオパートナーとの共同開発やライセンス収益を柱に事業を展開しています。

主要な顧客は病院、独立系検査施設、ラジオファーマシーなどの医療機関で、心臓科や核医学科、腫瘍科の医師が最終利用者です。同社は製品販売を中心に売上を確保する一方で、他社へのライセンス供与やマイルストーン、ロイヤルティ収入も重要な収益源になっています。販売は米国が中心で、カナダでの直販や欧州・アジア太平洋などでの流通パートナーも利用しています。

事業セグメントは放射性腫瘍薬、精密診断、戦略的パートナーシップの三本柱で、代表的な商用製品には前立腺がんのPET用薬のPYLARIFY、超音波造影剤のDEFINITY、放射性同位体ジェネレーターのTechneLiteなどがあります。同社はさらにPNT2002/PNT2003やMK‑6240など研究開発パイプラインを強化し、買収や提携を通じて開発・製造能力と製品群の拡大を図っています。

経営方針

同社は「完全統合型のラジオファーマシューティカル企業」への転換を成長戦略の中核に据えています。具体的には既存の商用製品(例:PYLARIFY、DEFINITY)による市場浸透を進めながら、研究開発と製造能力の拡大に重点投資しており、2024年の研究開発費は約1.68億ドルに達しています。配当は当面予定しておらず、株主還元は株価上昇と自社株買いによることを明言しており、2024年には最大2.5億ドルの自社株買い枠を設定、年末までに約112万株を買い戻すなどの資本政策を取っています。

重点投資分野は製品パイプライン、製造設備、商業展開および規制対応能力です。同社は自社での製造(たとえばDEFINITYの社内製造)やTechneLiteジェネレータの生産能力を強化することで供給安定性を差別化要因とし、確立された流通網と営業体制で臨床現場への導入を拡大する方針です。また、POINTとの資産取得やライセンス契約(PNT2002/PNT2003)など、研究開発型の提携を通じて新薬候補の商業化権やロイヤルティ構造(例:PNT2002で最大20%のロイヤルティ水準等)を確保し、収益源の多角化を図っています。

新市場開拓と事業拡大は主にM&Aとライセンス戦略で推進しています。2025年に予定されるLife Molecularの買収(先払い350.0百万ドル+最大400.0百万ドルの成果連動支払)やEvergreenの買収(先払い250.0百万ドル+最大752.5百万ドルのマイルストーン)など、PET診断薬や受託開発製造(CDMO)分野への参入でグローバルな製品ラインと能力を補完する計画です。これらはいずれも2025年後半のクロージングを見込んでおり、規制承認やクロージング条件の履行によりリスクと機会があることを同社も明示しています。

技術革新への取り組みでは、PET用放射性医薬品の臨床開発(例:MK‑6240のタウイメージング、NAV‑4694など)と関連する試験・製造技術に重点を置いています。研究開発費の増加やCerveau買収を通じた技術獲得により、診断精度の向上と新規適応の拡大を目指しており、同時にサイバーセキュリティや品質管理への投資、従業員教育を継続して行うことで製品安全性と事業継続性の確保にも注力しています。