LOCKHEED MARTIN CORPLMT

時価総額
$1079.6億
PER
航空宇宙・防衛の米国最大手。戦闘機、ミサイル、衛星やデジタル統合システムを展開。2024年10月30日に衛星企業を3億1400万ドルで買収、2024年9月9日に商用エンジン事業を1億7000万ドルで売却。2024年12月31日時点で従業員の約93%が米国に所在。

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企業概況
111文字)
業績概況
テーマ
2項目)
ブランド
2項目)
ライバル企業
5社)
同業種の日本企業
5社)

事業内容

LOCKHEED MARTIN CORPは世界的な航空宇宙・防衛企業で、高性能な軍用機やミサイル、防衛システム、衛星などの研究・設計・製造とそれらの維持管理を行っています。加えて、システム統合やエンジニアリング、物流、サイバーセキュリティといった運用支援サービスも提供しています。これらを組み合わせて国家安全保障や宇宙ミッションに必要な総合的なソリューションを提供しています。

同社の主要顧客は米国政府の各軍種やNASAであり、国際的には米国を通じた政府間販売(FMS)や各国政府への直接販売が大きな収益源になっています。売上の多くは数年にわたる長期契約による安定的な収入で、契約の進捗に応じて収益を計上するモデルを採っています。さらに、機体やシステムの保守・更新やソフトウェアの継続提供で反復的な収入を確保しています。

同社は主に4つの事業分野で展開しており、戦闘機や軍用機を扱う航空分野、ミサイルや精密誘導兵器を扱う防衛火器分野、回転翼機や指揮統制・センサー類を扱う任務システム分野、そして衛星や宇宙システムを扱う宇宙分野に分かれています。各分野で研究開発と供給網の強化を進め、既存プログラムの性能向上と次世代技術への投資を通じて長期的な収益基盤を築いています。

経営方針

同社は「21st Century Security」というビジョンを掲げ、全ドメイン(空・陸・海・宇宙・サイバー)での優位性を高めることで成長を加速させることを目指しています。2024年の売上高は約710億ドルで、そのうち73%が米国政府関連(うち65%が国防総省)からのものでした。財務面では2024年の純利益が約53.4億ドル、同年の1株当たり配当は12.75ドル(配当総額約30.6億ドル)と、安定したキャッシュ還元を継続しています。株主還元の施策としては、2024年10月に自社株買い枠を30億ドル上積みしており、2024年末時点で将来の買戻し枠は約93億ドル残っています(四半期では第4四半期に約187.9万株を平均約534.67ドルで買い戻し)。

同社は差別化の源泉を「既存プラットフォームの長期維持」と「システム間の連携」に置いており、重点投資分野としてデジタル技術、人工知能(AI)・機械学習、自律化(無人機の導入や有人・無人の連携)、および設計の自動化(生成設計)などを挙げています。具体的な事業面ではF‑35の維持整備やPAC‑3の生産増加、HIMARSやGMLRSの需要拡大、CH‑53Kの供給拡大、トライデントII D5弾道ミサイルの近代化といったミッション必須のプログラムで収益基盤を固めつつ、これらをネットワークで結び付けることで他社にない統合的なソリューションを提供することを目指しています。

新市場開拓と事業拡大については、国際市場の拡大を主要施策としています。2024年は売上の約26%が国際顧客によるもので、F‑35やF‑16、C‑130J、また防空・打撃ミサイル系での海外需要を取り込むことに注力しています。ポートフォリオの形状変更も積極的に行っており、2024年9月に商用エンジン関連事業を1億7,000万ドルで売却し、同年10月にはテラン・オービタルを約3.14億ドルで買収して衛星設計・製造・運用能力を補強しました。さらに国内の供給網強化を目的とした企業間の協業(例:ロケットモーターでの協業合意)など、外部提携も成長戦略の重要な手段としています。

技術革新への取り組みは同社戦略の中核で、専用開発部門「Skunk Works」での次世代空中優勢技術の開発や、X‑62Aでの自律能力実証、有人・無人の連携実験、また小中型衛星の大量配備を想定した能力構築、超音速/極超音速(ハイパーソニック)分野への投資などを継続しています。さらにサイバーセキュリティやデジタル基盤の刷新を目的とした社内の多年度変革投資を進め、人材育成と外部パートナーとの共同開発を通じて技術を実用化し、契約バックログを効率的に収益化することを目標にしています。