Lumentum Holdings Inc.LITE

時価総額
$271.2億
PER
光学・フォトニクス製品の最大手。データセンター向け光モジュールと固体・ファイバレーザーを展開。2023年11月に同業を728.5百万ドルで買収、2024年6月29日時点で従業員約7,257人。米国・欧州・アジア中心に展開。

ランドスケープPowered by 会社四季報オンライン

企業概況
105文字)
業績概況
テーマ
1項目)
ブランド
ライバル企業
2社)
同業種の日本企業
1社)

事業内容

Lumentum Holdings Inc.は光学・フォトニクス製品を手掛け、クラウドやAI/ML、通信、消費者、産業向けに部品やモジュール、レーザーなどを提供しています。データセンターの高速伝送や通信網の基盤を支える光学コンポーネントと、産業用途の高出力レーザーや3Dセンシング用の光源が同社の主力製品です。

主要顧客はクラウド事業者、通信サービス事業者、ネットワーク機器メーカーや産業機械メーカーで、これら企業向けの製品供給が収益の中心です。大口顧客の発注状況やベンダー管理在庫(VMI)、消費者向け製品の季節性によって売上のタイミングが変動する点が収益構造の特徴です。

事業は「Cloud & Networking」と「Industrial Tech」の二つのセグメントに分かれ、前者はデータセンター間通信やネットワークインフラ向けの光学部品・モジュールを扱っています。後者は固体レーザー、ファイバーレーザー、ウルトラファストレーザーなどを製造し、半導体加工、電気自動車の電池製造、金属加工や自動車のLiDAR、スマートフォン向けの3Dセンサーなど多様な用途向けに提供しています。

経営方針

Lumentumはデータ量の増大とAI・機械学習の普及を受け、クラウドデータセンターや通信ネットワーク向け製品でのシェア拡大と収益安定化を成長戦略の中核に据えています。2024会計年度の売上高は約13.6億ドルで、そのうちクラウド&ネットワーキングが約10.85億ドル(約79.8%)、産業向け技術が約2.74億ドル(約20.2%)を占めており、受注残(バックログ)は約4.21億ドルあります。資本配分では自社株買い枠を最大12億ドルまで設定する一方、事業投資や買収資金として社債の発行(例:2026年債で10.5億ドル、2028年債で8.61億ドル、2029年債で6.037億ドル)も行っており、同社は市場機会を取り込むための資金確保と株主還元の両立を目指しています。

重点投資分野は、速度・容量の拡張が求められるクラウド・ネットワーク向けの光学部品・モジュールと、産業用途のレーザー・光源です。R&D人員は約1,256人を擁し、研究開発を中心に投資を続けています。同社の差別化は、コンポーネントからモジュール、サブシステムまで垂直に広がる製品ポートフォリオと、特許(米国約1,025件、海外約1,100件、出願中約790件)を中心とした知財、ならびに英国・中国・タイ・日本などの非米国生産拠点を活かした量産能力にあります。なお非米国での生産比率拡大はコスト低減につながる一方、為替変動リスクの増大にも対処している点が特徴です。

新市場の開拓では、AI/機械学習向けのデータセンター増強、長距離・海底通信、半導体・電池・EV向けの精密加工用途や自動車用LiDAR・消費機器の3Dセンシングなどを狙っています。成長を加速する手段としてM&Aも積極的に用いており、2023年11月に買収したCloud Lightには約7.285億ドルを投じ、取得無形資産として約3.33億ドルを計上しました。また、素材・製造能力の制御を高めるために日本の半導体ファブ施設用地と建物を約4,650万ドルで取得し、ローンによる資金調達も行うなど、工場設備の拡充で顧客に近い供給体制を整備しています。同社は顧客とのベンダー管理在庫(VMI)などを通じて需要変動に対応する運用も重視しています。

技術革新への取り組みは、製品の高速化、省エネルギー化、信頼性向上を目標に明確に向けられています。社内での研究開発投資と特許蓄積を重視し、基盤となる知財は原則として外部に広くライセンスせず自社で活用する方針です。具体的には開発中技術や顧客関係を取得した際に割り当てる無形資産評価や在来製品の微細改良、さらに量産へつなげる製造工程の最適化に資金と人材を配分しており、これらによりクラウドや産業用途で要求される高性能・低消費電力の光学ソリューションを市場に投入していく計画です。