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LINCOLN EDUCATIONAL SERVICES CORPLINC
事業内容
LINCOLN EDUCATIONAL SERVICES CORPは職業訓練に特化した米国の高等教育機関で、主に短期のキャリア形成プログラムをオンラインと対面を組み合わせた形で提供しています。同社は実務に直結する技能教育と就職支援を重視し、学生が現場で通用するスキルを身につけられるようカリキュラムを設計しています。
主要な顧客は就職やキャリアチェンジを目指す学生で、授業料収入が収益の中心になっています。同社はまた米国の公的な学生援助制度を利用した資金や、企業向けの採用支援・個別研修からの収入も得ており、企業との連携が学生の就職率向上と収益拡大に寄与しています。
事業は複数のキャンパスとプログラム群に分かれており、医療関連、車両整備・技能職、情報技術などの職業分野をカバーしています。同社は実習やインターンシップ、履歴書や面接対策などのキャリアサービスに加え、企業向けの人材供給や研修提供、運営の標準化といった効率化策、さらには施設の売買やリースバックなど不動産を活用した資産運用も行っています。
経営方針
同社はキャリア志向のポストセカンダリー教育分野での成長と収益性の向上を目指しています。具体的には、教育カリキュラムの標準化と業務の中央集約を進めることで、開始日を統一し運営効率を高める方針です。財務面では2024年末時点で約5930万ドルの現金・現金同等物を保有し、借入は実質的にゼロ(当期の利息費用は主に信用枠の未使用手数料等で約0.4百万ドル)であることに加え、最大1億5千万ドルまでの公開登録(Form S‑3)を行っており、資本調達の柔軟性を確保しています。また自己株式買付制度も継続しており、認可残高は約2970万ドルとしています。
重点投資分野はキャンパスの設備投資とプログラム拡充で、近年は東ポイント(ジョージア州)やヒューストン(テキサス州)の新キャンパス建設、レヴィットタウン(ペンシルベニア州)の物件取得などに資本を投じています。2024年の資本支出はおよそ1170万ドル、前期には約4120万ドルを投じており、不動産の買換えや売却・リースバック(ナッシュビルの物件売却で約3380万ドルの売却収入)を通じてポートフォリオ最適化を行っています。教育面ではハイブリッド授業(オンラインと対面の併用)を強化し、求人へのマッチングを重視することで、実務に直結した技能習得と就職実績を差別化要因にしています。
新市場開拓については既存の事業を複製する形での横展開と、新規市場への慎重な出店を組み合わせています。同社は各地の法人顧客から新たな地理的展開の要望を受けており、需要が見込める市場へは既存プログラムの導入や新キャンパス設置で対応する計画です。資金面の選択肢としては前述のS‑3登録や流動資産の運用(2024年は約4440万ドルを短期投資に振り向け、利息収入約210万ドルを計上)を活用しつつ、自己株式買付や不動産取引を通じた資本配分を行っています。
技術革新の取り組みでは、教育のハイブリッド化に伴う教材・学習管理の整備、募集・入学・就職支援を支える採用管理ソフトや学生支援システムの導入を進めています。同社はサイバーセキュリティに対しても投資を実施しており、最高情報責任者(CIO)主導の専門チームで監視・検知・インシデント対応体制を整備しています。教員の技能維持のために四半期ごとの研修や年次評価を実施するなど人材育成にも資源を割き、教育の質と運営効率を同時に高めることを目指しています。