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LAMAR ADVERTISING COLAMR
事業内容
LAMAR ADVERTISING COは屋外広告スペースの賃貸を主業務とする企業で、道路沿いの大型看板やサービスエリア近くのロゴ看板、駅やバスなどの交通機関内外の広告枠を中心に扱っています。広告のデザインから掲出、保守まで一貫して対応することで広告主の掲出ニーズを満たしています。
同社の顧客は小売業者や地元の事業者、大手ブランドなど幅広く、地域ごとの営業チームが地元の需要に合わせて広告枠を販売しています。地域広告が収益の大半を占めており、広告出稿は季節や景気で増減するため収益は四半期ごとに変動します。
同社は事業を屋外看板、ロゴ看板、交通機関広告の三つのセグメントで運営しており、2024年末時点で約159,000基の看板、約138,200件のロゴ表示、約47,500件の交通広告を保有しています。近年はデジタル看板への投資を強化し、デジタル在庫の一部を外部パートナー経由で自動的に販売する仕組みの拡大にも取り組んでいます。
経営方針
同社は持続的な成長と株主還元の両立を目指しています。既存資産の稼働率向上や広告単価の引き上げ、戦略的な買収を通じて収益を伸ばす計画で、営業活動によるキャッシュフローは2024年に約8.74億ドルまで拡大しました。資本配分では2025年の資本的支出を約1.95億ドルと見込んでおり(2024年実績は約1.25億ドル)、株主還元では2024年に総額5.788億ドル(1株当たり5.65ドル)を配当として支払い、2025年は少なくとも年間で1株当たり合計6.20ドル相当の分配を目標に掲げています。さらに、取締役会は自社株および社債の買戻し枠として各2.5億ドルを承認しており(買戻しプログラムは2026年3月31日まで延長)、資本政策の柔軟性を確保しています。
同社は地域密着の営業力を差別化の源泉とすることを目指しています。屋外広告の地元販売が屋外ネット収入の約79%を占め、約975名のローカル営業担当者や平均33年の経験を持つ地域管理者によるきめ細かい営業体制を敷いています。運営面では会計や財務は中央で管理しつつ現地に大きな裁量を与える「中央管理・現地分権」型を維持し、掲示板の改修・新設を継続して実施することで高いサービス品質を保ちます。2024年の投資区分では成長投資が約6,350万ドル、維持投資が約5,200万ドル、その他非定常が約980万ドルであり、国内外での大規模な物理インフラ(総掲示板数は約15.9万、デジタル掲示板は約5,000、ロゴ看板は約13.8万、トランジット系は約4.75万)を基盤としたスケールメリットを生かしています。
同社は新市場の開拓や事業領域の拡大を積極的に進めています。例として、州がロゴ看板制度を導入・民営化するタイミングでの入札や、観光案内型の標識、空港や公共交通の広告案件の獲得を狙い、既存市場と新市場の双方で投資基準に合致する案件を選別して取得しています。買収戦略も継続しており、2024年は24件、総額約4,540万ドルの資産取得を現金で完了しました。資金調達は手元資金、シニアクレジット、売掛債権の流動化、必要に応じて債券や株式発行を組み合わせる方針で、投資機会に対して機動的に対応する姿勢です。
同社はデジタル技術の導入を強化することを目指しています。2024年には約6,070万ドルをデジタル関連の資本支出に投じ、デジタル掲示板の在庫の一部を外部パートナー経由で自動的に販売する仕組みを拡大しています。加えて、広告主のターゲット層や地理的条件を分析するソフトを使って掲示位置を最適化する取り組みや、クリエイティブ面での支援を通じて付加価値提供を進め、デジタル比率の向上と在庫の効率的運用によって収益性改善を図る計画です。