LOEWS CORPL

時価総額
$220.1億
PER
多角化する持株会社の大手。保険、天然ガスパイプライン、ホテル、包装事業を展開。2024年6月30日時点の時価総額は約133億ドル。2023年9月にパイプライン事業を3.55億ドルで買収、2024年にホテル権益を4400万ドルで取得。米国中心に展開。

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企業概況
103文字)
業績概況
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5社)
同業種の日本企業
3社)

事業内容

LOEWS CORPは複数の事業会社を傘下に持つ持株会社で、保険、エネルギー輸送、ホテル運営、包装といった分野を中核に事業を展開しています。 同社は子会社を通じて損害保険の引受けや天然ガスのパイプライン運営、宿泊サービス、リジッド包装の製造といった事業を行っています。

主要な顧客は事業ごとに異なり、保険事業では法人や団体向けの商業保険や賠償保険、パイプライン事業では天然ガスの生産者や流通事業者、ホテル事業では個人旅行者や団体利用客を中心としています。 同社の収益は実質的に子会社の営業利益や投資収益、ならびに子会社からの配当や資金分配に依存しており、親会社はこれらを通じて資金を確保しています。

事業構成は大きく保険、パイプライン、ホテル、並びにコーポレート/投資部門に分かれています。 保険部門は保険料収入と投資収益で稼ぎ、パイプラインは輸送契約に基づく安定的な運賃収入を得て、ホテル部門は宿泊・会議・飲食など宿泊関連のサービスから収益を上げています。 同社はまた包装事業に対して持分投資を行っており、消費財向けの硬質包装で収益機会を持っています。

経営方針

ロウズ社は多角的な持株会社として、保険(CNA)、パイプライン(Boardwalk)、ホテル事業(Loews Hotels & Co)、プラスチック包装(Altium)など四つの主要事業を通じて株主価値の向上を図っています。同社は配当よりも事業投資と自社株買いを通じた資本効率の改善を目指しています。目に見える数値としては、非関係者保有の普通株式の時価総額が2024年6月30日時点で約133.36億ドル、発行済株式数は2025年2月7日時点で212,861,300株となっており、投資からの収益力も強く、2024年の純投資収益は約27.8億ドルに達しています。加えて取締役会は公開市場での株式買い戻しを承認しており、2024年第4四半期だけで合計約4,241,185株(10月:1,104,392株、11月:649,709株、12月:2,487,084株)を買い戻しています。

同社の重点投資分野は、各事業の核となる事業資産と投資ポートフォリオの両面にあります。年金資産運用では「トータルリターン」アプローチを採用し、資産配分の目標レンジを株式・リミテッドパートナーシップに0〜40%、残りを債券中心にすることで長期収益とリスク管理の両立を図っています。加えて、エクイティ投資や共同事業への出資(持分法適用投資残高は2024年末で約9.37億ドル)を通じて事業価値を高める一方、金利・株価・為替などの感応度分析を定期的に行い、100ベーシスポイントの金利上昇で固定利付債務の時価が約3.81億ドル減少するといった試算を用いてヘッジや負債構成の最適化を進めています。

事業拡大や新市場開拓は選択的な買収と持分の組み換えを中心に進めています。具体例としてBoardwalkは2023年にWilliams関連のBayou Ethaneを約3.55億ドルで取得し、パイプライン・エネルギー領域での輸送・処理能力を強化しました。Loews Hotelsも2024年に複数物件の非支配株式を約4,400万ドルで取得するなど、経営支配の強化や資産再編を通じて稼働率・収益性の向上を図っています。同社はただし、子会社の配当や資金移転は規制や契約に制約されるため、資本配分は各子会社の規制状況や貸借条件を踏まえた慎重な判断を重視しています。

技術革新への取り組みでは、特にサイバーセキュリティと投資リスク管理の高度化に注力しています。親会社と各子会社はNISTフレームワークに基づく成熟度評価、脆弱性スキャン、従業員訓練、想定訓練(テーブルトップ演習)やインシデント対応計画の整備を行い、監督は監査委員会が担っています。運用面ではデータ分析を用いた感応度分析やデリバティブによるヘッジを活用して市場リスクを管理しており、年金計画に対する将来キャピタルコールのコミットメント約9,200万ドルなど、代替投資を含めた資本の投入と管理も進めています。これらにより、同社は安定した現金創出とリスク制御の両立を目指しています。