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KLA CORPKLAC
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事業内容
KLA CORPは半導体や電子機器の製造現場向けに、製造工程の検査・測定装置とそれを補完するソフトウェアを開発・販売している。主力製品はウエハー上の欠陥やプロセス変動を検出する検査・測定装置と、そのデータを解析して歩留まりや生産効率を高めるためのソフトだ。
同社の主要顧客は受託生産を行うメーカーや自社で半導体を製造する大手メーカー、電子部品メーカーなどで、製品販売が収益の中心になっている。加えて、据付や保守契約、ソフトのライセンスや定期サポートなどのサービス契約が継続的な収入源となり、顧客との長期的関係が売上の安定に寄与している。
事業は大きくウエハー検査・パターニング関連の装置群と、工程管理や解析ソフト、化学品管理などのサービス群に分かれる。同社は自社設計の部品を外部サプライヤーと協力して組み立てる生産体制をとり、装置本体の販売に加えて消耗部品・保守・ソフト更新を含めたトータルソリューションで顧客の生産改善を支援している。
経営方針
同社は長期的な収益成長と株主還元の両立を目指しています。半導体製造向けのプロセス制御・歩留まり管理装置を中核に、先端ノードの需要や従来ノードでの需要増に対応することでトップライン成長を図っています。直近の投資規模としては、研究開発費が2024会計年度で約12.8億ドル(売上比で約13%)に達しており、同時に四半期配当1.45ドルの支払いと、約21.8億ドルの残余がある株式買戻し枠を通じた資本効率の改善を進めています。
同社は研究開発と顧客向けサービスに重点投資することで差別化を図っています。具体的には検査・計測装置本体に加え、装置の解析や歩留まり改善を支援するソフトウェアや保守サービスを組み合わせて提供し、顧客の製造ラインに深く入り込むビジネスモデルを強化しています。製造とサービス拠点を米国、シンガポール、欧州、イスラエル、中国などに分散させ、供給網の継続性や導入後サポートを重視することも差別化の一環です。
同社は新市場の開拓と事業ポートフォリオの最適化を積極的に行っています。化学管理システムの拡充を目的に2022年に約4.3億ドルで買収したECIなど、対象分野や技術を補完する買収を続ける一方、採算性の低いディスプレイ事業は2024年に撤退し、約2.19億ドルののれん・無形資産を償却するなど痛みを伴う再編も断行しました。今後は先端パッケージング、パワー半導体、化合物半導体、LED、データストレージや特殊半導体向けの市場を伸ばす計画です。
同社は技術革新を持続するため、高い研究開発投資と知財保護を続けています。2024会計年度のR&D費用約12.8億ドルは回路の微細化や製造自動化に必要な新機能開発に充てられ、ソフトウェアや解析技術、装置の自動運転・診断機能の強化に重点を置いています。また、特許出願や機密保持で知的財産を守るとともに、ERPやサイバーセキュリティへの投資を通じて社内インフラの信頼性向上にも取り組んでいます。これらにより、同社は顧客の高付加価値ニーズに応える競争優位を維持しようとしています。