KELLANOVAK

時価総額
$290億
PER
加工食品の世界的な大手、従業員約24,000人。スナック、冷凍朝食、シリアルなどのアイコニックブランドを展開。2024年8月13日の1株83.50ドルの買収合意。米国、欧州、アジア中心に世界各地で展開。

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企業概況
112文字)
業績概況
テーマ
1項目)
ブランド
3項目)
ライバル企業
5社)
同業種の日本企業
2社)

事業内容

KELLANOVAは世界的な消費財食品メーカーで、シリアルやスナック、冷凍朝食、即席麺をはじめとする加工食品の開発・製造・販売を行っています。同社は複数の有名ブランドを軸に、スーパーマーケットやオンラインなどを通じて消費者に商品を届けています。

主要な顧客は大手小売業者で、特にウォルマートが米国売上の約16%を占め、上位5社で約29%を占めています。同社の売上は主に小売向けの製品販売が中心で、地域別販売や外食向け、海外市場での販売などで収益を分散しています。

事業はシリアル、スナック、冷凍食品、国際部門などのセグメントに分かれ、それぞれでブランド商品や新製品投入を通じた成長を目指しています。同社は世界各地に製造・物流拠点を持ち、原材料や包装の調達、サプライチェーン管理を重視して安定供給とコスト管理に努めています。

経営方針

同社は「Deploy for Growth」を軸に、既存ブランドの強化と効率改善で持続的な成長と利益率向上を目指しています。2024年の連結売上高は約127.5億ドル(スナックが約81.2億ドル、シリアル約27.0億ドル、冷凍食品約10.96億ドル)で、スナック分野が売上の中心となっています。株主還元と資本の効率化も重視しており、取締役会は2025年末までに最大15億ドルの自社株買い枠を承認しているほか、2024年は設備投資に約6.28億ドルを投じるなど資金配分を明確にしています。さらに、Marsとの買収契約(1株当たり83.50ドルでの現金取得)が公表されており、同社はこの取引の完了を見据えながら経営の一体化や規制対応を進めていますが、規制承認など不確実性がある点も開示しています。

同社はブランド力とマーケティング投資で差別化を図っています。広告費は2024年に約6.28億ドル、研究開発費は約1.15億ドルを計上しており、味・品質・栄養面での訴求や新商品の導入に資金を集中させています。サプライチェーンや製造能力への重点投資も差別化の柱で、地域別では北米に約2.42億ドル、欧州に約1.28億ドル、AMEAに約1.37億ドル、ラテンアメリカに約1.03億ドルを投資しているため、現地ニーズに合わせた供給力強化を図っています。また、環境・社会面の「Better Days」施策は取締役会と専任の担当組織が監督しており、持続可能な原料調達やパッケージ改善でブランド価値を守る取り組みを進めています。

新市場開拓と事業再編については、グローバルな生産拠点と流通網を活用してチャネル拡大とポートフォリオ最適化を進めています。米国での売上は約62.5億ドル、その他地域での売上も大きく、既存小売チャネルに加え電子商取引やクラブストア、ディスカウントチャネルなど代替的な流通ルートへの対応を強化しています。加えて、過去の事業売却や地域別の再編、買収候補の検討を通じて成長機会の取り込みと非中核資産の整理を行っており、同社は戦略的な合併・買収や事業分割を成長の手段と捉えています。ただし、これらの取引には統合リスクや規制上の不確実性が伴う点も同社は明示しています。

技術革新では、デジタル・情報投資とサイバーセキュリティに重点を置いています。長期的なソフトウェア資産は約4.57億ドルが計上され、建設進行中案件には約7.00億ドルを見込むなど、生産や物流の自動化・最適化に投資しています。経営陣にはデジタル・情報担当役員や情報セキュリティ責任者が配置され、データ活用による需要予測の精度向上や原料ヘッジの運用改善、トレーサビリティ強化を進めています。研究開発とマーケティング投資を技術と連動させることで、製品イノベーションと供給網の回復力を高めることを同社は目指しています。