SpiberJP:E35280株価

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構造タンパク質素材の新興企業。微生物発酵による持続可能な繊維・樹脂・フィルム素材「Brewed Protein」を開発。19年にTHE NORTH FACEブランドでTシャツ・ジャケットを発売。タイで22年に商業生産開始予定、米国でも生産拡大を計画。

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事業内容

Spiberは、持続可能な新世代素材として「構造タンパク質」の研究開発を手がけるバイオテクノロジー企業です。同社は微生物の発酵技術を使い、クモの糸のような高強度タンパク質を人工的に大量生産する独自技術を開発しています。このタンパク質素材「ブリュードプロテイン」は、石油由来の化学繊維に代わる環境配慮型の新素材として注目されています。

同社は現在研究開発段階にあり、2019年にはアウトドアブランド「ザ・ノース・フェイス」と提携してTシャツやジャケットの限定販売を開始しました。中期的には自社での商業生産により収益基盤を構築し、長期的には知的財産を活用したライセンスビジネスへの転換を目指しています。タイ工場では2022年以降の本格的な商業生産開始を予定しており、米国でも大手企業との協業により生産拡大を進めています。

同社の事業は構造タンパク質事業の単一セグメントで構成されています。技術プロセスは、目的に応じたタンパク質の分子設計から始まり、遺伝子合成、微生物による発酵生産、精製、そして繊維や樹脂などへの加工まで一貫して手がけています。同一の生産設備で遺伝子を変えるだけで多様な特性を持つ素材を製造できる点が、従来の化学素材にはない大きな特徴となっています。

経営方針

Spiberは独自の合成生物学技術により、微生物発酵を通じて高機能タンパク質素材「Brewed Protein™」を製造するバイオテック企業として、着実な収益基盤の構築を最優先の経営目標に掲げています。同社はタイ・ラヨン工場を初の量産拠点として稼働させ、その後速やかに米国工場の立ち上げを進める計画です。量産規模での事業開始により素材販売売上の垂直立上を目指しており、営業人員の大幅増員を含む営業体制の強化にも取り組んでいます。

重点投資分野では、タンパク質の分子設計・材料設計技術と合成生物学的アプローチによる高効率発酵生産技術を核とした超低コスト生産技術の確立に注力しています。同社のBrewedProtein™素材は植物由来でアニマルフリー、環境分解性を併せ持ち、カシミヤなど動物由来繊維と比較して温室効果ガス排出量を大幅に軽減できる可能性を示しています。この環境優位性により、多数のグローバルアパレルブランドとの共同プロジェクトが進行中であり、持続可能素材への急速に高まるニーズを背景とした差別化戦略を展開しています。

新市場開拓においては、現在の繊維分野を超えた事業領域の拡大を積極的に推進しています。伸縮性に優れポリウレタンを代替可能なバイオ由来の新素材開発、人工肉分野への応用可能な素材研究、さらには医薬分野での事業化に向けた研究開発と事業開発を重点項目として位置づけています。これらの先行投資により、本素材の大規模普及と同社が創出可能な社会的価値の最大化を図る方針です。

技術革新への取り組みとして、同社はタンパク質素材分野における圧倒的な競争優位性の確立を長期戦略の中核に据えています。持続可能なサプライチェーンの設計・構築と併せて、各業界の牽引企業との適切な連携により知的財産の独占的基盤を構築しています。前連結会計年度以降で累計600億円を超える資金調達を実現した背景には、ESGやSDGsを重視する企業の収益性・成長性が中長期的に高まるという社会的認識の変化があり、同社はこの潮流を追い風として技術開発投資を加速させています。