オオバJP:9765

時価総額
¥182.2億
PER
12.3倍
総合建設コンサルタント業の有力企業。測量や地理空間情報、GISによる上下水道・道路管理システム、防災シミュレーション等のソリューションを展開。環境調査・アセスメントや土壌汚染対策、廃棄物処理等の環境ソリューションを提供。連結子会社4社で構成。

事業内容

オオバは総合建設コンサルタントとして、社会資本整備や民間施設整備に関する調査・設計・コンサルティングを主力事業としている。同社は測量や地理情報の整備、環境対策、まちづくり計画、施設設計やプロジェクト実行支援を一貫して行っている。

主要な顧客は国や自治体などの公共部門が中心だが、開発事業者や土地所有者、民間事業者向けの案件も重要な収益源になっている。収益は公共事業の受託料と、民間向けコンサルティングや事業代行、システム導入・保守などの報酬で構成されている。

事業は大きく五つに分かれており、地理空間情報業務では測量や地図作成、地理情報を使った資産管理や防災支援を行っている。環境業務では環境調査や土壌・水質対策、持続的な都市環境の計画を担当し、設計業務では道路・橋梁・上下水道などの設計や耐震補強、公共施設の資産管理支援に取り組んでいる。事業ソリューション業務では土地区画整理や開発行為の代行、税務・不動産と連携した相談、老朽マンションの建て替え支援などを一括で提供している。

経営方針

オオバは2024年~2028年を対象とする中期経営計画で、連結売上高を2028年5月期に20,000百万円(約200億円)、連結営業利益を2,400百万円(約24億円)、営業利益率12%、ROE/ROICをそれぞれ12%程度に引き上げることを掲げています。これまで営業利益12期連続増益や無借金経営を実現しており、同社は安定した収益基盤を前提に成長を加速させ、総還元性向を60%、配当性向を50%程度へ引き上げて株主還元を強化することを目指しています。

重点投資分野は「まちづくり」を核とした総合建設コンサルタント業務で、測量や地理空間情報、都市再開発、環境対策といった領域に注力します。民間案件の比率を高めてきた強み(官庁:民間=6:4)を活かし、調査・設計から事業代行、資産処分までワンストップで提供する点で差別化を図っています。技術資格保有者は現在500名体制を概ね構築済みで、同社はこれを650名へ増やし、多能工化による現場対応力の向上を実現することを目指しています。

新市場開拓や事業拡大では、事業ソリューション業務の伸長や優良案件への自社参画を通じた収益機会の拡大を打ち出しています。防災・減災や国土強靭化、防衛土木といった公共需要に加え、国内回帰する製造業や物流開発に伴う民間開発を取り込み、老朽マンションの建替え支援など不動産系ソリューションも強化します。加えて、同業・異業種とのM&Aや業務提携を活用して事業領域を広げる計画です。

技術革新への取り組みとしては、デジタル技術の活用(まちづくりDX)と生産性向上の両面を進めています。具体的には地理空間情報の整備・利活用を進めるとともに、設計・管理業務の効率化ツール導入やデータ連携を進めることで提案力と現場生産性を高めます。人的資本への投資も並行して行い、採用・教育でシニア層も含めた技術者育成を進め、技術力と組織力を両輪で強化する方針です。