イーレックスJP:9517

時価総額
¥505.9億
PER
14.8倍
再生可能エネルギーを基軸に、電力小売、発電、燃料、トレーディングの各事業を展開し、国内外でのバイオマス発電やカーボンクレジット取引を推進する企業。

事業内容

イーレックスは、再生可能エネルギーを基軸にした多様な事業セグメントを展開しています。主な事業には、電力小売事業、発電事業、燃料事業、トレーディング事業、そして海外事業があります。これらの事業を通じて、持続可能な社会の実現を目指しています。

電力小売事業では、エバーグリーン・マーケティング株式会社やエバーグリーン・リテイリング株式会社などの子会社を通じて、法人や個人に電力を販売しています。高圧分野では、完全固定プランやハイブリッドプランを提供し、低圧分野では市場連動型プランを中心に販売しています。

発電事業では、佐伯、豊前、大船渡、沖縄の発電所でバイオマスを燃料とした発電を行っています。これらの発電所は再生可能エネルギーのFIT制度に基づく事業認定を受けており、発電した電力を販売しています。土佐発電所は運転を休止中で、糸魚川発電所は2025年度の運転を見合わせる予定です。

燃料事業では、バイオマス発電のノウハウを活かし、パーム椰子殻や木質ペレットなどのバイオマス燃料を安定供給しています。インドネシアやベトナムでの生産拠点を活用し、品質と価格の優位性を確保しています。

トレーディング事業では、燃料価格や電力市場価格の変動に対応し、安定的かつ競争力のある電力調達を行っています。また、カーボンクレジットのトレーディングも計画しており、海外事業からのクレジット活用を視野に入れています。

海外事業では、東南アジア諸国で再生可能エネルギー事業を展開しています。ベトナムでは大型商用バイオマス発電所を運営し、カンボジアでは水力発電所の建設を進めています。これらのプロジェクトは、脱炭素とエネルギー自給率向上に貢献しています。

経営方針

イーレックスは、再生可能エネルギーを中心に据えた成長戦略を掲げています。同社は、日本国内だけでなく、ベトナムをはじめとするアジア諸国でも脱炭素化を推進し、総合エネルギー企業としての進化を目指しています。

電力小売事業では、全国的な販売ネットワークと20年以上の電力トレーディングの経験を活かし、顧客ニーズに応じたプランを提供しています。特に、脱炭素社会の実現に向けたコーポレートPPAやDRソリューションの提供に注力しています。

トレーディング事業では、電力先物市場を活用し、確定した販売電力量に対する調達を行っています。さらに、相対の卸取引を積極的に推進し、電力市場での存在感を高めています。

発電事業においては、国内のバイオマス発電所の効率化を図りつつ、新たな大型バイオマス発電所の計画を進めています。これにより、再生可能エネルギーの供給力を強化しています。

燃料事業では、ベトナムの自社工場で生産した木質ペレットの取り扱いを開始し、国内外でのバイオマス燃料の拡販を進めています。これにより、燃料取扱量の大幅な増加を見込んでいます。

海外事業では、ベトナムとカンボジアでの再生可能エネルギー事業を拡大しています。特に、ベトナムでのバイオマス発電所の運営やカンボジアでの水力発電所の建設が進行中です。

脱炭素戦略として、2030年までに2500万トンのCO2削減を目指し、2050年にはカーボンマイナスの実現を掲げています。カーボンプライシングや排出権取引を通じて、環境価値を成長の源泉とすることを目指しています。