- 日本企業
- エフオン
エフオンJP:9514
事業内容
エフオンは総合エネルギー・サービス企業として、企業の省エネルギー支援と再生可能エネルギーによる発電・電力販売を主力事業としています。同社はエネルギー使用の診断から省エネ対策設備の設計・施工、運用まで一貫して手掛け、発電所の開発・運営も行っています。
主要な顧客は製造業や施設管理を行う法人で、省エネコンサルティングや設備導入の受託で収益を得ています。また、発電した電力は固定価格での買取や市場連動型の補助制度を通じて売電収入を確保しており、サービス報酬と売電収入が収益の柱になっています。
事業は大きく省エネルギー支援、グリーンエナジー、電力小売の三つに分かれます。省エネルギー支援は診断・改善・運用支援を一貫して行い、グリーンエナジーでは廃木材などを燃料にした木質バイオマス発電所の開発・運営を進めています。電力小売では自社発電の環境負荷の低い電力を顧客に供給し、燃料供給や森林資源の管理もグループで担っています。
経営方針
同社は総合エネルギー・サービス企業として、売上高や利益の拡大を明確な目標に据えています。2026年6月期には連結売上高1,950億円、連結営業利益17.6億円、連結経常利益16.0億円、親会社株主に帰属する当期純利益10.7億円を見込んでおり、木質バイオマス発電所の高稼働と電力小売契約の拡大でこれらの数値達成を目指しています。固定価格での長期買取制度(FIT・FIP、通常は送電開始から20年の保証)がある期間は安定収入を確保する一方で、その後も顧客に直接供給する小売事業へ移行し、持続的な収益基盤を維持することを重視しています。
重点投資分野は木質バイオマスと山林事業、そして省エネルギー支援サービスです。具体的には、原木の受入量を増やすために豊後大野・壬生・新宮の各拠点でチップ加工の内製化を進め、未利用材の活用や燃料調達コストの低減を図ります。差別化の源泉としては、山林の育成から発電、電力の小売までをグループ内で一貫して手掛ける点を掲げており、5基の発電所間での協力体制を強化して運営ノウハウや保守情報を共有することでコスト優位を作る戦略を取っています。
新市場の開拓と事業拡大では、発電所の開発継続と電力小売の顧客基盤拡大を両輪で進めます。新設発電所の立地調査や燃料調達ネットワークの構築に精力的に取り組み、FIT・FIP適用期間終了後も環境負荷の低い電気を継続的に供給するための販売メニューを開発します。加えて、山林事業では施業地の拡大と機械化を進めて生産性を高め、林業の担い手育成や専門人材の確保で長期的な事業基盤の確立を図る計画です。
技術革新については、発電所の運転・保守技術の向上と省エネサービスの高度化を進めています。具体的には運転効率や燃料混合比の最適化、設備保守の体系化による稼働率向上、5拠点でのデータ共有によるノウハウ蓄積を行います。省エネ支援では単なる設備更新にとどまらず、運用面も含めたエネルギー効率改善を提案し、公的な助成制度や基準を活用して顧客の初期負担を抑える施策を実行しています。また、気候変動リスクの把握・開示(気候関連財務情報開示の取組)や人材育成も並行して進め、持続可能な事業運営を目指しています。